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遠恋カレンダー
【女性向け 官能小説】

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8月:花火-3


「ほら。4人で花火大会に行こうって話してただろ?」
「は、い」

「この花火大会に誘おうと思ってたんだけど、この日仕事が終わる時間が読めないんだ」
「広報は今忙しそうですもんね!」
葵が青木の帰りの遅さを思い出して顔をしかめた。

「屋上を解放してくれるなら抜け出すよ。4人で見ないか?」

葵は青木と二人で居たいんじゃないかな。
そう思って葵のほうを見ようとした、その前に
「いいですね!」
と葵が答えていた。

え・・・いいの?

「じゃぁ青木にも伝えておくよ」

そう笑って秋田さんは颯爽とエレベーターに乗って行った。

「いいの?」
「うん。秋田さんの話楽しいじゃん」

「ねぇ!浴衣は持ってるんだよね?」
ウキウキしながらそう聞く葵の言葉はあんまり耳にはいってこなくて。

今年の夏は1日も一緒に過ごせないかもしれない小川君とより
4人だとは言え、いろいろな思い出を秋田さんと過ごすことをぼんやりと考えていた。

小川君も・・・
ドイツでそんな風に一緒に過ごす女性がいるんだろうか。

2人きりじゃないから。
秋田さんと過ごすことをそんな風に自分に言い訳している今の状況が苦しくて
それでも花火大会が楽しみで。

私はエレベーターの中で階数表示を見ながら小さくため息をついた・・・




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