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エロティック・ショート・ストーリーズ
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純白の蝶は羽ばたいて(美少女、処女)-9

「ん?」
「私ばっかり脱がせてずるい」
 手早く着ている物を脱いだ達也の体を見つめる悠香の瞳には何の濁りもない。恥じらうように目を泳がせはするものの、純粋な愛情の気持ちが見て取れる。
「これでいいかい」
 達也はベッドに上がり、悠香に体を重ねた。触れ合う唇と唇、胸と胸。太股は絡み合い、互いの肌を感じながら熱く火照っていく。
 ずり下がり始める達也。頬から耳たぶ、首筋、と唇を這わせ、胸元を通り、大きな膨らみの頂上を目指す。やがてそれは口に含まれ、舌で転がされ、強く吸われた。小さな唇から、鼻から。悠香は熱い息を吐きながら眉を寄せ、頬を緩ませる。
 片手で柔らかく乳房を揉みながら、達也の下降は続く。伸びやかなウェストを唇が這い、鼠径部をたどり、ついに控えめな翳りへと到達すると、彼は頬ずりを始めた。シャラシャラという小さな音をたてながら。
「くすぐったいよ」
 悠香が小さく笑う。
「僕もだ」
 達也も笑う。
 ムッチリと肉付きの良い白い太股の下に両手を差し入れて持ち上げると、悠香は達也の意図を察して膝を上げ始めた。彼の目の前に、再び秘めやかな女の渓谷が現れる。指で軽く開く。ニチャっと湿った小さな音が聞こえ、悠香が頬を染める。舌を伸ばす。その先端が、花びらの縁を捉える。
「んんー……」
 腹筋をピクリと跳ねさせて、苦しげな声が絞り出された。舌は花びらの縁を這い下り、反対側の縁を舐め上がった。悠香は、翻弄されている自分の股間に視線を送っている。谷底へと舌が沈んでいくと、悠香は白いシーツを掴み、握り締めた。爽やかな酸味がツンと利いた甘だるい香りそのままの味が、達也の舌を軽く痺れさせる。隠し味の苦みと渋みも程よくブレンドされている。
 潤んだ谷底を達也の舌が蛇行しながら往復するうち、悠香の太股が微かに震え始めた。しかし、十分に感じてはいても決定力に欠けているようだ。達也は、二枚の花びらが重なり合う上の端をつまみ、軽く開く力を掛けながら、グイッと押し上げた。
「え?」
 チュルン、と顔を出した蕾は、取れたての真珠のように瑞々しく鈍い輝きを放っている。それは既に腫れぼったく膨らんでいた。待ちわびた芽生えの春を迎えたのだ。達也のドロリと濡れた舌が迫る。
「んあぁっ……」
 ほんの僅かに触れただけで、悠香は大きく腰を跳ねさせ、顔を歪めて髪を振り乱した。かつて経験したことのない女の悦楽に下腹部の奥深くまでを焦されたのだ。
「悠香ちゃん」
 肩で大きく息をしながらぼんやりとしている悠香に、達也は静かに語りかけた。
「大人にはね、どんなに強く想っても、どんなに強く願っても、叶わないことがあるんだよ」
 ワケが分からない、という顔で悠香が小さく首を傾げる。こんな時に、いったい何の話なのか。
「例えばね、僕に何をされても感じるものか、って強く思ってごらん」
 意図が分からないままに、悠香は言われた通りににしてみることにした。
「いくよ」
 達也の舌が、悠香の春の蕾を優しく翻弄する。
「ぐ、ぐぅ……」
 身を捩り、眉根を寄せる悠香。
「ダメじゃないか。感じちゃあ」
「でも……」
「出来ないだろ。諦めなければ夢は叶う、とか、努力は報われる、なんて、全部ウソなんだよ。幸運にも結果の出たやつの垂れ流す戯言(たわごと)なんだ。あるいは、他人を操るために敢えてバラ巻かれた幻さ」
 悠香は厳しい顔で達也を睨んだ。
「どうしてそんな非道いことを言うの。努力している人をあざ笑うのが楽しいの? 夢は叶う。そうよ、それは本当よ。きっと叶う」
「じゃあ、やって見せろよ。今から僕は君を全力で責める。でも、感じないで耐えてみせるんだ。想いが強ければ出来るんだろう?」
 ムッとしたような顔をして、悠香は頷いた。
 達也が舌を伸ばす。悠香は挑む様に膝を開き、腰を持ち上げた。
「く……」
 再び触れた舌の感触に、あっけなく声を漏らす悠香。しかし、達也は容赦しない。舌の先を蕾の周囲でグルグルと周回させ、唇で吸い上げ、先端をレロレロと舐め倒した。
「うっ……く……ぐぅ……」
 感じるものか、と必死に堪える悠香。しかしその太股は震え始め、腰がピクピクと跳ね、食い縛られた歯の隙間からは涎が垂れ落ちた。
「感じるな。耐えろ」
 厳しい責めは続く。左右に高速で往復する舌で翻弄される、無垢な蕾。チュウチュウと吸われながら口の中で先端を舐め回され、ジーンと痺れ始める。
「ん……っ」
 イヤイヤをするように首を振り、固く目を閉じ顔を歪めながら、悠香は白いシーツを破れるほどに掴んだ。
 達也の口の動きが一層の激烈さを増す。
「か……っ」
 ガクガク、ガクっと腰を揺らし、悠香は身を反り返らせて硬直した。全身に微細な震えが駆け巡る。
「くはっ……」
 やがて悠香は、糸を切られた操り人形のように一気に脱力し、ベッドの上に倒れ込んだ。はあ、はあ、はあ、と激しい息をする彼女を冷静な目で見つめながら、達也は抑えた声で告げた。
「出来ないだろう? あるんだよ、どんなに強く想っても、どうにもならないことが」
 涙が溢れ、零れ落ちた。達也の目から。驚いたように目を見開く悠香。
「どうして泣いているの? 達也さん」
 息を整えベッドから下りて、悠香は達也を立たせた。そして強く抱きしめた。
「あなたに泣かれてしまったら、私はどうしたらいいの」
 小さく微笑んで、悠香は達也の胸に顔を埋(うず)めた。達也は悠香の頭をしっかりと抱きしめた。
「覚えていてくれればいい」
 達也の腕に力がこもる。
「君はいつか純粋なままではいられなくなる。でも、覚えていて欲しい。純粋な君の前に、僕が居たということを」
 再びベッドへと悠香を誘った達也は、彼女に覆い被さり、足を開かせた。そして、まだ汚れを知らぬ女の壺口に自分の怒りを当てがい、体重を乗せていった。
「行くよ、悠香」
 悠香は瞳を潤ませて小さく頷いた。


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