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俺は他人棒
【熟女/人妻 官能小説】

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片山未来(25)・清原珠理(24)-9

 会社への突撃から一ヶ月余り。
 送りつけた動画は十二本に及んだ。
 そろそろ未来がセックスジャンキーになりそうで、さすがに俺も危機感を抱き小休止に入った頃、修平氏から封書が届いた。
 中身は、一度くしゃくしゃに丸めた痕跡を残す離婚届。そこには修平氏の署名がきっちり入っていた。
 あわせて、プリントアウトされた文書も同封されていた。
「未来のような女に未練はない。誰にでも股を開く売女は好きにすればいい。しかし私に与えた重ね重ねの侮辱は許し難いので、慰謝料として一千万払うように」
 そんな文面だった。
 笑止千万とはこのことだ。
 俺は早速返事を出してやった。
 そんな金は払う筋合いがないので一円たりとも出してやる気はない。告訴したければどうぞご勝手に。裁判になれば、法廷であんたへの「重ね重ねの侮辱」とは何か、証拠を求められるであろう。その折は未来の破廉恥ビデオを公開して構わない。判事たちの前でアレを晒されたら、未来はさぞ興奮してまん汁垂れ流しオナニーにふけることだろうけど、あんたは恥の上塗りをするだけだ。ついでに言っておくと、あんたにぶん殴られた打撲の治療費と薬代は四千円くらいだった。これを請求しないだけ有り難く思って欲しい。
 という内容を、ごく丁重な言葉遣いで書き記しておいた。


「さて……再婚には半年ブランク空けなきゃいけないとかいう馬鹿な法があるから、籍入れんのはまだ先になるな。その前に赤ちゃん産まれちまうかもしんねえけど、これで俺たち晴れて名実ともにパートナーだぞ」
 言ってやると、未来は心底から喜びいっぱいという顔をして俺に飛びついた。
 修平氏へのマインドクラッシュ動画はこれで打ち止めにしていい訳だが、慰謝料うんぬんのふざけた手紙が癪に障った。
 彼は余計なことをして俺の怒りを買ったのである。
「未来も惚れて一緒になった人だろうから、こう言っちゃ悪いとは思うけど……つまんねえ男だな」
「うーん……そうなの……かな。うん、やっぱりそうなのかも。最初のうちは、浮き浮き新婚生活って感じだったけど、この先もずっとやっていけるのかなって、ふっと疑問みたく思ったこともあった。小さいことでも、何か合わないようなこと感じたりもしたし」
「それはセックスのこと?」
「もおー! そっちにばっかり繋げないでよぉ。それ言ったら亮介とも合わないから! やたらお尻に執着してくるとことか、マジ勘弁して欲しいし!」
「そんなこと言いながら、いざケツハメになると狂ったようによがりまくってくれる未来が好きだよ」
「……う、んん〜……まあそれは……」
 否定しない未来が可愛い。
 そんなベストパートナーの肩を抱き、俺はそっと耳打ちした。
 修平氏に贈る、ラスト一本の動画の案についてだ。

「うっそマジ!?」
 俺の温めていた企画を初めて知らされた未来は、驚き一色の眼で見つめてきた。
「いつの間にそんな根回ししてたのよ……つーか行動力ありすぎ。ほんっとサイテー野郎……」
「ありがと。最高の褒め言葉だよ。で、未来も協力してくれるよね?」
「当たり前でしょ……そんな面白いこと、わたし抜きで進めるの許さないから」
 悪女の微笑みを浮かべる未来。たまらなく蠱惑的な表情だ。
 俺と関係してから、未来の見せる貌は多様な広がりを持っていくようになった。
 それでこそ我が嫁。頼もしいことこの上ない。


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