あの日の記憶-6
翔太とワルガキ数人と、美奈子とクラスメイトの女子数名は、途中まで帰り道が一緒のため、よく集団で下校していた。
一人別れ、二人別れ、各々の方向に帰宅していくわけだが、翔太には気になることがあった。
「バイバイ、また明日ねー」そう言って、美奈子が手を振って別れる訳だが、時々、美奈子の自宅とは違う方向に帰っていくことがあった。
「あれ？美奈子ぉ、そっち違くね？」
トモキが聞くと
「うん、ちょっとねー。バイバイ、またねー」と帰って行く。
「習い事してんのかな？美奈子」
「だろ。あいつ頭いいし」
「(でも、あっちは神社くらいしかないけどなあ)」翔太は首を傾げた。
それからも時々美奈子は神社の方へ帰って行くことがあり、それは決まって、木曜日なのだ。