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俺は他人棒
【熟女/人妻 官能小説】

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片山未来(25)・谷山萌(18)そして尾野上冴(45)-4

 燃えるだけ燃えて、名残惜しげにそれぞれの車へ乗り込んで別れる。
 情事のためだけの場であるラブホテルに情緒は無用かもしれないが、俺は言いようのない寂しさを感じないではいられなかった。
 月末、誕生日当日のデート約束は交わしたが、冴には帰る家がある。
 すっかりレスになっているという夫もいれば、中学一年生の娘も待っている。
 煩わしいと思ってはいても、誰かが帰りを待つ家というものに憧れが湧かない訳ではない。
 俺らしくないセンチな気分が湧き起こり、無性に侘びしくなってきやがった。
 こういうときは、思い切りハードに欲望むき出しのプレイで鬱屈を吹き飛ばすか、あるいは真逆のプラトニックなイチャラブデートをするか、どちらかに限る。
 冴相手に三回戦ばかり立て続けの放出を終えた後ではあるが、三、四人まとめて相手してやれる体力は残っていた。俺は頭に浮かぶ何人かの候補へとメッセージを送り、すぐ会えるなら会いたいと性急な要請を出した。

 運がないときってのはあるものだ。
 一番ヤレる確率が高いと思っていた隣家の葵・萌母娘から真っ先に「ごめんね」返信が来た。稀代のヤリマンJDである萌は、ヤリサー仲間の家で乱交お楽しみ中らしく、男根に囲まれた画像添付までしてきやがった。
 口にザーメン溜め込んでピース自撮りしている萌の後ろ側に、イラマチオされている葵の姿まで写り込んでいた。母親同伴でヤリまくりのご様子だった。
 久しぶりに連絡してみた屁こきジャズピアニストの富樫菜穂子は、旦那が急な発熱とかで病院に付き添いしているという。
 何だかんだで奥様生活も大事にしているのを見せつけられたような形だ。
 子供もおらず割と好き勝手な有閑主婦って感じの加山絢香も、残念ながら旅行中。
 ヤリたいのは山々だけど北海道にいるんじゃ会いようがないと、わざわざ電話で残念そうな声を聞かせてくれる絢香であった。
 冴との話に上がった森崎智美も店で忙殺されている様子だった。客として会いに行っても予約が詰まりすぎていて当日の指名は難しいほどだという。

 妙に人恋しい心境なんぞ抱えてしまったのがいけない。身に沁みる空っ風の中をトボトボ歩いて俺は、一人酒の止まり木求める虚しい放浪者と化した。
 当てが外れてブルーな心の俺には、ナンパしたとて引っかかる女もいないだろう。辛気臭さは隠しても滲み出る。
 ぶらりと入った居酒屋のカウンターで串盛りをつまみながら熱燗をチビチビ舐めるうちに、時は過ぎていく。
 気がつけば二十三時半。独り酒の合間、俺は溜息ばかりを吐いていた。


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