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俺は他人棒
【熟女/人妻 官能小説】

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片山未来(25)・谷山萌(18)そして尾野上冴(45)-14

「名実ともに俺のものになって貰う」
 キザっぽく吐きたい台詞だが、クソ真面目に俺は一言一句噛み締めるよう発音した。
「もちろん、これは俺が勝手に決心してるだけであって、未来の気持ちも確かめないといけないんだけど……」
 半ば、未来は断るはずないと確信していたが、いざ答えを求める段になると、俺の心臓はやたらバクバク高鳴った。
 小学生時代を思い出した。こいつの下駄箱にラブレターを放り込んだときも、こんなふうに動悸が激しくなったっけ。
「嬉しい……」
 未来のやつ、涙を流しやがった。
「ばか、泣くな」
「勝手に涙が出てくるんだもん。わたし、亮介の奥さんとして、亮介との赤ちゃん産んでいいってことでしょ?」
 泣かれるのは好きじゃない。
 湿っぽいのがそもそも苦手だが、未来にそう言われてつい俺も鼻の奥がツンとした。
「そういうことだ」
 俺は未来の手を握った。
「──が、そのためにもこれを何とかしなくちゃ、な」
 と、俺は未来の左手を軽く差し上げた。
 そこには薬指に光る「現亭主」との指輪があるのだった。

 陰で寝取る行為は数々してきたが、正式に略奪するのは初めてのことだ。
 これまで結婚しようなどと考えたことは一度もなかった。
 独身のまま、好き放題につまみ喰いしまくって生きていくのが俺のスタイルと心に決めていた。
 その意思を揺らがせた点をとっても、未来は無二の存在である。

 正式にこいつを旦那から奪う。

 覚悟を定めたからには、正面切ってぶち当たる。
 せいぜい大波を巻き起こしてやり、未来にとっても一生忘れられないライフイベントにしてやろうじゃないか。
 未来の夫、片山修平を相手取った間男騒動。さて、どのように仕掛けてやるか──。
 当の寝取られ妻たる未来も共謀しての計画だ。修平氏は足掻きようのないどん詰まりに立たされているようなものと言っていい。
 気の毒とは思いながら、引導を渡してやらないことには俺たちが次のステップに進めない。
 半ば面白がって、俺はこの盛大な「離婚イベント」のシナリオを練り始めた。



初恋は波乱を超えて 〜了〜


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