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置屋に生まれて
【熟女/人妻 官能小説】

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父母の叱責-1


翌日、「昨夜はごめんね」と増子から電話があった。

「あ、いや、僕の方が悪い。お座敷があるのに、無理なことを言って、ごめんなさい」
「今夜はどないするん?」
「うん、宿題が沢山あるから・・」
「ほな、またね」

電話はそれで終わった。

(へへ、バレてない・・)

明彦はそう思っていたが、それは子供の浅知恵。花街の出来事は女衒をしている父親には全て入ってくる。

「このバカ者!」

父親から小料理屋に呼び出された明彦は、そこで「お前には女と遊ぶ資格はない!」と竹刀で背中の皮が剥ける程に無茶苦茶に叩かれた。

「増子がおるんに、珠江と遊びおって。置屋の倅のくせに、やってはあかんことが分らんのか!」

酒ばかりを飲んでいる父だが、この時は正気だった。そして、「増子のところに二度と行ってはならん」と言われた。

母親からも、「お前が悪いおなごに騙されへんようにと、お父ちゃんが増子ちゃんに頼んでくれとったもんを、全くアホなことしてくれたもんや。」と叱られた。

「僕が増子さんに謝る」

明彦はそう言ったが、「アホか。そないな気持ちが有ったんなら、珠江ん誘い、きっぱり断るんや!」と、母親からも頬に平手が飛んできた。

増子との間はそれっきりだった。

花街ではこんな話は誰も他言はしない。

その後も増子も珠江は何事もなかったように置屋「峰岸」に籍を置き、お座敷を務めていた。


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