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砂漠の薔薇
【女性向け 官能小説】

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-4

どれぐらい時間が経ったのか。
喉が渇いてそっとベッドを抜け出してキッチンからお水を持ってくる。

「俺にも頂戴」

その言葉に、私はお水を口に含んで阿部さんに口移しでお水を飲ませた。

「エロイな」

口元から一筋たれた水を手の甲でぬぐうと
愛しそうな瞳で私を見つめるオトコがいる。

ふと、サイドテーブルにガラスで出来た小さなケースがあって
良く見るとその中に砂の色をした薔薇が咲いていた。

「砂の・・・薔薇?」

初めて見たそれに興味がわいて顔を近づけてよく見ると
砂で出来た薔薇のようで

「砂漠の薔薇」

阿部さんが身体を起こして私を抱きしめた。

「砂漠の薔薇?」
「あぁ、出張でドバイに良く行ってた時期があるんだけど」
ドバイ!経管はドバイにも出張で行くのか!

「砂漠で採れる鉱物の結晶らしい」
「これ結晶なの?」
「水に溶けたミネラルが結晶になったもので砂漠だからその結晶に砂が付着して
こんな砂で出来た薔薇のように見えるんだ」
「砂漠なのに、水に溶けたミネラルの結晶?」
「あぁ、昔オアシスがあった場所に出来るらしい」
「薔薇のように見えるけど、薔薇じゃないのね」
「そうだな。でも本当に砂で出来た薔薇みたいだろ?」

「私、みたい」
「え?」
「女のように装っているけど、セックスレスの時はきっと女じゃなかった・・・」
「真由花」
「元は水があったのに今はない乾ききった砂漠に・・・ニセモノの花が咲くのね・・・
ほんと。まるで私だわ」


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