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砂漠の薔薇
【女性向け 官能小説】

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昨日まで何も知らなかった人に、一体自分の事をどこまで話していいものか悩むけど。
逆に今までの私を一切知らない人だから、何のしがらみもなく言えるような気がした。

それに・・・
マスターとの話は阿部さんが来た事で中断されて
言い足りない気持ちもあった。

「・・・昨日、愛しているからと啖呵を切ったんだけど」
「あぁ」
「今同棲してるんだけどね」

「・・・・あぁ」

「この春、マンションの更新なんだけど。更新するのをやめようって言われた」
「・・・・そうか」

私に気まずい思いをさせないようにしているのか
視線をこっちに向けなかった。

「昨日、あんなに愛してるって言ったけど。独りよがりだったみたい」
「何か、前兆は・・・・あったのか?」

前兆。
あったと言えばありすぎるほどのセックスレスは
そこまでこの人に言ってもいいものかと
軽く酔った頭で考えた。

「なくは、ない」
「ふ〜ん」

それ以上踏み込んでこない阿部さんは
聞き上手なんだか、関心がないのか。

「ねぇ?私って女として魅力がないかな?」
「ん?なんで?浮気でもされたか?」

浮気、か。
こーちゃんは他の人とはエッチ出来るのかな。

「どーだろ?」


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