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人形たちの話
【教師 官能小説】

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人形が人形でない話-7


 その日から、先生とデートするようになった。あまり人に見られないようにデートの回数自体は少ないけど、その分、二人きりで会える時の嬉しさが半端なかったのを覚えてる。
 先生との深いキスは、先生の車の中だった。友達の家に泊まるように言ったくせに、雨の中、先生が自宅に送ると言い出して。
「ねえ、キスしない?」
 先生が悪戯っぽく笑って、そう言った。付き合い始めてから三ヶ月が過ぎようとして、まだ手を握るぐらいしかしていなかったのに。
「え、え?」
「私の方が年上で先生だから、私がリードするべきよね」
 先生と、キスをする。きす。kiss。キス。
「あ、え、あ」
 唇の感触を思い出す。柔らかくみずみずしい唇。あれをまた、感じられるのか。
「ふふ」
 その心を見透かしたかのように、先生の微笑が深くなる。ゾクゾクと何かが駆け上がった。
「私に任せればいいから」
 頬を手で挟まれて、強制的に先生の方を向けさせられる。唇と唇が、合わさった。
「ん……」
 やっぱり、最高の感触だ。ずっとこのままでいたい――
 そんな期待は期待以上のもので打ち砕かれた。にゅるんと何かが唇の間から入ってきたのだ。
「!?」
 反射的に引っ込めようとした舌を、先生は啜り、歯を使って軽く噛んで、むしろこっちが舌を送り込む形になった。舌が絡み合う。自分以外の唾液の味がする。ひどく甘かった。さらに深く、奥歯まで舌が入り込んでくる。本当に、されるがままだった。
 舌はさらに僕の口内を蹂躙する。歯茎の裏から上あご、口の中の傷までを全部確認するように、舌が縦横無尽に動き回る。唾液が送り込まれ、呑み込む。そのあと僕の唾液も啜られ、先生の口に舌が入った。そうして舌と舌が絡み合う。どうしていいかわからないなりに、僕も先生の口内を確かめるように舌を押し付けた。舌が溶けて一体化しているようで、どこからどこまでが自分の舌で先生の口内なのか、わからなくなった。
 永遠とも思えた時間は、不意に唇が引き剥がされて終わる。唇と唇の間に銀色の糸が垂れて、落ちた。
「……とっても上手よ」
 ボ、と顔が真っ赤になる。
 先生とキスをした!
「先生ね、明日お休みなの。……言う通りに、してくれた?」
「は、はい。友達の家に泊まるって……」
「そう、じゃあ……うち、泊ってく……?」
 先生の目は、期待を孕んでいた。
 ゾクゾクは終わらない。断るわけが、あるわけがなかった。




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