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マカオに沈んだ榊亜希子の悲劇
【レイプ 官能小説】

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マカオに沈んだ榊亜希子の悲劇-1

≪拉致≫

4月、つつじが美しい午後、東京都杉並区の閑静な住宅街にハイブリッドのセダンが戻ってきた。

サイドブレーキを踏み込み、「ふぅー」と息を吐いた榊(さかき)亜希子(あきこ)が車から降りようとした時、メガネを掛けた小柄な中年男が車に乗り込んできた。

「奥さん、お久し振り」
「な、何んですか、いきなり」
「何ですかはないだろう。電話を架けても出てくれないし、インターフォンを押しても『留守です』だと。だからここで待ってたんだよ」

男は「よろず金融」という消費者金融、いや、闇金融の取立て屋、金子(かねこ)治(おさむ)。
彼は亜希子が逃げ出さないようにと、ナイフを突きつけてきた。

「あ、な、何をするのよ」
「殺しはしないさ」
「お、お金なら、来週にはきっとお返ししますから…」
「もう遅いんだよ」
「あ…」

金子はナイフを亜希子の脇腹に突き立てた。

亜希子は一戸建てに夫と長男、長女の家族4人で暮らす、どちらかと言えばセレブに属する36歳の専業主婦。
金に困っていた訳ではないが、数年前にママ友から誘われたFXトレイドにはまり、趣味にしてはリスクが大きかったが、勝ったり負けたり、お小遣いくらいは儲けられる成績だった。だが、ある時、相場動向を見誤り、今までにない大負けをしてしまった。
冷静に考えれば、そこで損切すれば良かったものを、「何よ、こんなロス。次に取り返せばいいのよ」とリスクの高いトレードを繰り返しているうち、負けが積み重なり、巨額の借金を背負いこみ、最後に闇金融から借りてしまった。そこは高利な上に複利で増えるから、借金が借金を産み、とても返せる金額ではなくなってしまった。

亜希子は両手を合せて「お願いですから」と懇願したが、金子は「黙って車を出しなよ」と相手にしてくれなかった。
「ぐずぐずすんなよ!」
怒鳴られた亜希子はアクセルを踏んだが、ハンドルを持つ手が震えていた。



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