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ピンクモアール 〜魅惑のフェロモン
【OL/お姉さん 官能小説】

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鬼奴部長-2

福岡支社は女性が働く環境に特化した作りにリフォームされており外観こそ普通の3階建てのビルだが、中はお洒落で清潔感に溢れた内装が施されていた。今日は到着が15時とあり挨拶だけ済ませる予定だ。浜野は彩香に案内され1階の事務所にはいる。

「浜野様、ご到着されました!」
彩香が事務所に入るなりそう告げると20人程の女性スタッフが立ち上がり和かな表情で言葉を返す。
「いらっしゃいませ!お疲れ様です!」
統制が取れていて驚く。
「あ、本店から来ました浜野です。宜しくお願い致します。」
「宜しくお願い致します!」
みんな美人に見える。思わずニヤけてしまいそうな顔を引き締めるのに必死の浜野。そこへいかにも私はキャリアよと言った容姿と風貌の女性が浜野に歩み寄って来た。物凄い美人だ。しかし一発で性格はキツいのだろうなと思う雰囲気を醸し出しているのは噂の鬼奴部長、南雲麗華だ。歳は29歳であり見た目と年齢はマッチしているが、この雰囲気はとても29歳の女性が醸し出せる雰囲気ではない。やはりそうとう厳しそうな女性である事はすぐに察した。

「遠路、お疲れ様です。私、福岡支社営業部長の南雲麗華と申します。どうぞ宜しくお願い致します。」
そう言って名刺を渡してくる麗華には全く隙がなかった。それよりも美人ですね、綺麗ですね、と言った言葉を口にしようものならすぐにセクハラで訴えられそうな気がした。
「恐れいります。浜野です。今回はどうぞ宜しくお願い致します。」
得意先の部長クラスと挨拶する気持ちで名刺交換をした。

「ではこちらにどうぞ。」
浜野は支店長室に案内される。しかし中に支店長の姿はなかった。
「現在支店長は体調を崩されておりまして休職中なんです。現在、私が支店長代行を務めているところなんです。」
「そうでしたか。それは大変ですね。」
「いえ、私の仕事に対する能力のキャパは大きいので問題ありません。」
「そうでしたか、失礼致しました。」
プライドも高そうだ。浜野は肩が張って仕方ない程の緊張感を覚える。どうやら噂以上の相当な強者のようだ。浜野は取り敢えずは気を引き締めて向き合う事にした。
「早速ですが、うちの社員が浜野さんの歓迎会を企画しているようですが、業績の悪い者、仕事を溜めている者の出席は認める事は出来ませんのでお気を悪くなさらないでください。」
「あ、お構いなく…。お気持ちだけで嬉しいので…」
「私は歓迎会など、むしろ積極的にやるべきだと思っているのです。しかし自分の仕事を疎かにしている者に対してはまずは自分の仕事をキッチリとこなしてからではないといけないと考えて居ります。問題ない者にはしっかりと歓迎会を開いてもらいますので、どうか福岡の夜をお楽しみ下さいね。」
「ありがとうございます。」
そう言った浜野だが、なんかメンドくさくなって来たのであった。


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