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英雄ハンスの娘
【レイプ 官能小説】

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更なる英雄的行為-1

 狙撃手ハンスと観測手フィリップの殺害スコアが200を超え、二人は銀狼宝珠勲章を授かり、一般兵卒としては最高位の大尉に特進した。
「どうしてだ、どうして奴等は降伏しようとしないのだ、まだ殺したりないというのか」
 カラジッチ准将が赤く染まる空を見上げ、もううんざりだとばかり呟いた、もっとも理由は政治にあって軍人たる彼に従うほかないのである。
「どうやらセレニナ大統領はニースの街を(諸外国に対し)、被害を訴える材料として利用することを決定し、見殺しにする戦略をとったものと思われます」
 それがわかっているから現場の指揮官カラジッチは住民に恐怖を蔓延させるため、二週間にもわたる砲撃で街を破壊し、その後街のいたるところにスナイパーを配置し狙撃をさせ、住民を恐れさせていたのである、つまり戦略レベルではなく、戦術レベルで解決を図るよう、軍上層部から命令されていた立場なのだ。
 重苦しく進めば進むほど、先細っていくトンネルを抜けようとする、後戻りのできない泥沼に落ち込んでいく、絶望的感覚、兵隊の士気が落ちていくのがとめられない、おのれセレニナ人ども! 同胞を犠牲にすることで諸外国にプロパガンダを打ってでたのだ。
「前大戦での恨みを晴らしましょう、セレニナ人がこのニースの地で我らスーザニア人を虐殺した歴史を忘れてはいけません、幸いにしてもうすぐセレニナ人の断食月が終わり、彼らが球形屋根の教会に集う、これを狙わない手は無いかと、同時多発的に襲撃するのです、が皆殺しにしてはいけません、必ず生存者を残すのです、恐怖を撒き散らす存在を宣伝媒体を残すのです、もちろんネット環境をフルに使い、実況中継するとなお良いかと、できる限り銃を使わず、鉈を使うのが旨い方法と考えます、生きたまま剣鉈で頭蓋骨を割られ殺されるというのは恐怖でしょう、この地では生きては行かれないと思い知ると思われます、戦術に恐怖を選んだ現行路線は私は賛成です、きっと士気も上がると思います、顔の見える憎しみを抱いた民族を、直接鉈で切り殺せるのは最高のエンターティンメントではないですか! そしてそれはセレニナ人の宗教を根こそぎ奪取することもできる、大戦術に手をつけることでもあります、われ等スーザニアの為、勝利の為に」
 兵卒最高位になった後の、アジ演説、現場の意見、強硬論だけが優先される力学、狙撃兵という隠れることのみ特化した能力、気配の無さという隠れるのが得意なハンスが時には血を浴びてみたいという欲望、戦闘民族であるという自意識(大戦のときは人口の実に31パーセント以上、成人男性に至っては55パーセントのスーザニア人が戦死、行方不明、餓死、それでも戦い続け、戦勝国側になったのだ)、戦争でうばわれたものは、戦争で奪還するしかないという事実、前回の大戦の恨みをここで晴らすのは悪ではない、国のため当然の権利だ、指揮官がそれを躊躇うのなら、より現場レベルの下士官たるハンスたちが実行すればいいだけだ、責任は士官の仕事なのだから……


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