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二人のアトリエ
【学園物 官能小説】

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大ピンチ-2

「杏 何やってるの 練習いくよ」
「うん」

ラクロスとはホッケーに似た球技の一種。
女子の場合12名の 選手が、先端に網のついたスティックでボールを扱い、
相手ゴールに入れて得点を競う 杏はラクロスに夢中だった。昨日までは。

杏はラクロス部の練習にも身が入らなかった。
「ちょっと杏 練習中なのにぼーっとして」
「都大会近いんだよ 何やってるの」
「どうしたの杏 何かあったの」
「うんちょっとね」

杏は理由を話した。
「有栖川家の跡取り息子と御知り合いになった?」
「素敵」
ラクロス部の仲間が口々に言う。

「有栖川家の人と御知り合いになれるなんて」
「杏頑張れ」

「集合」
コーチが声を掛けた。
「今日は大切な話がある 新チームのキャプテンを選ばないと行けない」


「キャプテンは手塚杏」
コーチからキャプテンのフラッグを渡されると
杏は深呼吸をした。
「杏頑張ってね」
「皆をまとめていくんだよ」


「ねーお母さん私ね」
「杏大変なのよ お父さんの会社が」
高校の授業料が払えなくなるなんて、夢にも思わなかった。
父親の会社が傾き借金だけが手元に残った。
杏にはとてもじゃないけれど返せる額ではなかった。





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