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名曲はプラネタリウムの背景音楽で学んだ
【エッセイ/詩 その他小説】

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その一曲を求めて-3

 そういうワケだから、ずっと心にひっかかっていたままの曲がある。
 20数年、名前のわからなかった曲。
 それはプラネタリウムに通いはじめたころに聴いた夕暮れの音楽だ。

 ハープの伴奏が始まり、フルートのメロディーが加わる。そして次第にオーケストラの響きが高まっていく……

 それから夕暮れの空を見ると、心に響くのはその「未知の曲」だった。

 ところがある日、FMラジオを聴いていて その曲が流れて来たんだ。
 長年わからなかった曲名を待って、ラジオにしがみついてると、まもなくその名が伝えられた。

 「トスティのセレナード」だった。

 わからなかったはずだ。トスティのセレナードは、ピアノ伴奏で男性が歌う「歌曲」だったんだ。
 自分はクラシック音楽でも、歌曲には まるで触れて来なかったから、この曲に気づかなかったんだ。
 自分がプラネタリウムで聴いたのは、編曲されたものだったんだな。

 まだネットとかでさがせないころだったから、数軒のCD店をまわって、編曲されたバージョンが収録されたCDを手に入れてみたら……

 あの曲じゃないけど、あのメロディーなんだなぁ。
 そのメロディー聴いて スーッと心の中に、プラネタリウムと出会ったころの 乏しい天文知識と、乏しいクラシック知識との自分が現れた。

 どこかに、「あの曲」に近い編曲のトスティのセレナードがひそんでるんだろうなぁ。
 それに、まだメロディーだけの「未知の曲」もあるから……自分の探索は、まだ続いてる。

   ○

 よく言われるんだ。
 「館の人に聞けば、すぐ曲名わかったでしょう」

 そりゃそうだけど、それだと自分の「クラシックの枠」が広がらなかったと思うし、これでいいんだ。


 【おしまい】

 


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