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ひきこもりの僕
【ロリ 官能小説】

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ひきこもり-3

ある朝、目覚めてみたら、隣に寝ていたアンがいなかった。外はよく晴れている。
「アン?」
返事は無かった。
玄関を開けて外へ出た。空気も水色の空も、すっかり春らしくなっていた。そこここに緑が芽吹き、花の香りもわずかに感じられる。
僕は直感した。アンは、どこかへ帰っていったのだ。あたかも春と交代するかのように。
しかし、春の暖かさが、僕を淋しくさせなかった。これまで心を温めていてくれたアンが、今や外の世界になり、僕を照らして招いてくれている。そう感じた。
街並みの果てに霞む青い山々を僕は眺めた。
大学が嫌なら辞めればいい。世界はこんなに広いのだ。そして暖かい。アンは、きっとこの世界のどこにもいる。
不思議なことに、僕の部屋には、アンの髪の毛一本、残っていなかった。ただ、トイレに立ったとき、昨晩の激しい行為の残り香が、自分のところに籠っているのを感じた。アンは確かに僕といたのだ。二人の時間は長い夢などではない。
僕は急いで、実家に帰る支度を始めた。桜のつぼみは、すぐほころぶだろう。


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