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ピンクモアール 〜魅惑のフェロモン
【OL/お姉さん 官能小説】

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偶然-5

(さてと…)
浜野は早くも作戦に出る。電話などかかって来てもいないのにスマホを耳に当てる。

「あ、もしもし、お疲れ様です。…、はい、…はい、…、え?本当ですか?それはマズイですね。…あ、はい。大丈夫ですよ?気にしないで下さい。ええ。…、ホント大丈夫ですから。はい。分かりました。お気をつけて!」
浜野はあたかも誰かと電話しているかのように装い、電話を切ると目を閉じ天井に向かって溜息をついた。
「ハァァ…。」
と。そして再度スマホを操作し耳に当てる。

「あ、浜野です。原田さんトラブルですぐに帰らなきゃならないと電話がありました。…はい、自分もうレストラン入っちゃったんで食べて帰ります。お疲れ様でした。」
そう言って電話を切る。

(出張の人と食事の約束してたけどキャンセルになったのかな…。あーあ、食事に誘ってもらえるだけ幸せねー、原田さんて人。パスタ屋さんで食事とか、絶対女性だよね。)
自分ならせっかく誘って貰ったのだから食事をご一緒してから帰るのになと思った。残念そうに肩を落として落胆する姿に、隣の男性はその原田と言う女性との食事を楽しみにしてたんだと言う事を感じた。同時にその原田と言う女性が羨ましくも感じた。

「ハァァ…」
また溜息が聞こえた。相当残念だったのであろう。もしかしたら食事だけの関係ではないかも知れない。食事の後の妄想をしていると思わず下半身をムズッとさせてしまった。
(私なら、お誘いいただけたらオッケーしちゃいますよ?)
そんな勇気もないくせに愛美は心の中でそう思いながら水を一口飲んだ。

「お一人ですか?」
いきなり話しかけられて水を吹き出しそうになる。
「!?あ、は、はい…」
予想だにしなかった展開に愛美はドキドキしてしまう。
「出張ですか?」
「え、ええ…まぁ…」
「そうですか。実は自分も出張でいらした女性と食事をするはずだったのですが、トラブルがありキャンセルになっちゃって。自分、あまりパスタとか食べないんで何を注文しようか迷ってしまって。しかしこのお店、男一人で入るような雰囲気じゃないですよね。ちょっと恥ずかしいので、お食事、ご一緒していただけませんか?お代はもちろん僕が持ちますので。」
いきなりのお誘いにびっくりした。

「え…??」
「一人で食べるより二人の方が食事も楽しいじゃないですか。せっかくだから是非。」
愛美は心臓が爆発しそうなぐらいにドキドキしていた。期待と不安が入り混じってはいたが、どちらかと言うと嬉しい。しかしなかなかはい、と言う返事が出来なかった愛美であった。


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