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中年探偵銀次
【推理 推理小説】

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中年探偵銀次〜弟子入り志願者A〜-1

「はぁ、はぁ…間に合ったか…」

息を切らしながら店に入った晃は、店内を見回した。店内をキョロキョロと見て、店内の日の当たりが良い一番角の特等席とも言えそうな場所に銀次を発見した。

銀次は、晃が店に入った時点で晃に気付いていたようで、晃が見つけた瞬間にニヤリと笑った。

晃は銀次の元に駆け寄った。時間としては、ギリギリであり結果が気になるところである。晃はそのことを聞きたいようであったがさっきまで全力で走ったため息を切らしていて言葉を出すことができなかった。
そのことを察した銀次が口を開いた。

「どうやら、間に合ったみたいだな。」

晃はすぐに返事をしたかったが、息を切らしていたため答えることができず、息を整えることに集中した。
その間、銀次は、何も言わず待っている。

息を整え、やっと言葉をだすことができた。

「ありがとうございます。」
合格したという喜びに何て言ったらよいかわからない晃は、一言だけ言った。


「勘できたってわけじゃなさそうだな。場所はあっているが、たまたまということもある。教えてくれるか?君がどのように考え、ここにきたかを…」
銀次の言葉を聞き晃は、まるで名探偵になったかのように自信満々に答える。
「まず、この店の名前はマリリンです。俺は、銀次さんの暗号を解いてここへ来ました。最初のメールでは、わかりませんでしたが、2通目のメールで、わかりました。『・』の正体ですが、これは携帯の数字でいう5の部分にある、出っ張りのことです。これを軸に考えるということは、矢印にそりながら、ボタンを押すということ。矢印の次にある数字は押す回数ということで、暗号である、『←↓1→↓2→↓2 ↓↓3』にあてはめて考えると、この店のマリリンとなるわけです。どうですか?」

銀次は思ったとおりの答が返って来ていうまでもないというように返事をした。

「うむ。あっている。上出来だ。」

「じゃあ、助手にしてもらえるんですね?」

晃は、声を張り上げて答える。それに対し銀次は、冷静に答える。

「しないもなにもない。最初から助手にするつもりだったさ。」

銀次の言葉に晃は思いがけない顔をした。

「わざわざこんなに面倒なことをしているんだ。初めっから助手にするに決まってるだろ?これをやった理由はお前の実力を知りたかったのさ。」

晃は、その言葉に疑問をもった。最初、財政的に厳しくて雇うのが難しいといってたのに…

「お金のことか?それは何とかなるさ。1人が2人になるんだ、それなりに収入が増えるさ。」

「はい。」

銀次が自分に期待してると感じた晃は、力強く返事をした。





店をあとにした晃は、もう日が沈みかけた空を見ながら、考えていた。
(これから先、様々な事件がおこるんだろうな。でも、銀次さんなら誰も解決できない事件も解決するんだろうな。今より生活厳しくなるけど頑張るぞ。俺はあの人に一生ついていく!)

晃は、新たなるスタートに胸を弾ませていた。


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