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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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修学旅行-8

「あの…私、友達が待っているので」

見知らぬ他校の男子生徒に絡まれてしまった。一緒に周ろうと言われ断ったのだが、しつこく迫ってくる。

「いいじゃん、友達も一緒にさ」

気づけば壁際に追い込まれ、逃げ場がなくなった。男子生徒の1人が、とんっと壁に手をかけた。いわゆる壁ドンのような状態になる。私より少し背の高い男子に囲まれ、逃げ場が無いのは流石に怖い。けれど、近くには海菜達がいる。そのことが、私を冷静にさせてくれる。

「…女子ばかりじゃないけど。というか、本当に解放して貰えないかしら」

「強気だね。俺、そういう子好きだよ」

男子生徒の手が私の髪を撫でた。鳥肌が立つ。知らない人に触られるのは、彼女以外に触られるのは、不快でしかない。払い除けようとすると、腕を掴まれた。

「っ…離して。触らないで」

「いいじゃん。ね?ちょっと俺らと遊ぼうよ」

「い、嫌って言って…」

私の腕を掴んでいた男子の腕を誰かが掴んだ。

「汚い手で百合香に触んじゃねぇ」

ドスの効いた、低い声と共に海菜が他校の男子達を睨んだ。一瞬、星野くんが発した声だと思った。私に向いていた彼らの視線が一斉に彼女の方に向けられる。掴まれた腕の力が弱まる。くいっと彼女が私の腕を引くと、あっさりと腕が振り落ちた。そのまま私は彼女の腕の中に収まる。守るように、きつく抱きしめられた。

「…な、なんだよ…お前…女が王子様気取りか?」

「…その女相手に怯んでるのか。弱いな」

挑発するように彼女は鼻で笑った。なんだか、いつもの彼女と雰囲気が違う。

「な…!ひ、怯んでなんかねぇよ!」

挑発に乗った男子が海菜に殴りかかろうとする。すかさず星野くんが海菜を守るように前に出、その拳を海菜の代わりに片手で受け止める。

「…望。手を出すな」

海菜が一声発すると、星野くんが掴んだ拳を投げ捨てる。そして、海菜が「去れ」と一言だけ発した。男子生徒達はゆっくりと後ずさり、そそくさと逃げ去っていった。

「…なんかアレだね。王子と騎士っていうか魔王と側近みたいだね」

男子生徒達がいなくなったところで、他の3人が駆け寄ってくる。

「…大丈夫?百合香ちゃん」

「えぇ…絡まれるのは…慣れてる」

「うわ、慣れたくないな…それは」

「ユリエル美人だもんなぁ…」

「…でも良かったよ…私達が近くに居て…」

海菜がホッと息を吐いた。良かった、いつもの海菜だ。

「…海菜様も、あまり無茶はなさらないでくださいね」

そう言って星野くんが溜息を吐いた。
普段と違う彼に私を含めた4人が首をかしげる。海菜が苦笑いした。

「たまにあるんだ。役が抜けないこと。特に私を守ろうとした時はよくなる」

「やっぱりさっきのは演技だったんだ」

「半分ね。まあ…望の"これ"はほとんど別人格みたいなものだけど…そのうち戻るから気にしなくていいよ。口調以外は普段と変わらないから。ありがとね望、庇ってくれて」

「いえ、私は貴方の騎士です。当然のことをしたまでです」

そう言って星野くんは柔らかな微笑みを浮かべた。アレクだ…アレクが居る…と小春が目を輝かせながら呟いた。


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