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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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修学旅行-21

「本当にすまん…海菜…」

「いいって。私こそごめんな。ちょっとびっくりしたけど」

「…ちょっとなの…?」

「今のは完全にセクハラだよなぁ…てか、今のが正解なの?」

「んー。秘密。ほら、着いたよ、動物園。行こう」

「動じないよなぁ…鈴木さん…」

「俺だったら無理だわ…本当尊敬する…」

あれだけ異性と距離が近づいても、やはり私は何も感じない。相手が望だから?いや、違う。
私は異性に恋は出来ないのだと、再確認させられた。
"貴女に恋をするまでは、男の人にしかときめいたことなかった"
"私は多分、貴女とは違う"
1日目の夜の百合香の言葉が反響する。
ああ、ダメだ。不安になる。涙が溢れる。普段なら、全然大丈夫なのに。

「…あー…ごめん、ちょっと…中入ったら休んでいい…?」

「うお…大丈夫か?どうした急に…痛いのか?」

「痛みはないけど…メンタルが…ごめんね…困らせて…めんどくさい時期なんだよ、今…」

ベンチに座る。リュックを抱きしめ、顔を埋める。急に泣き出してしまった私に、3人はどうしていいのか困っているようだ。

「…女子って大変だな。毎月そんなんなるの?」

「いや…今はそれに加えてちょっと悩んでることがあるから…」

「…恋人のこと?」

上野くんが尋ねる。こくりと頷いた。

「…なあ鈴木…聞いてもいい?」

「私の恋人のこと?」

「ああ。…俺の勘違いならごめん。…相手は女の子なのか?」

上野くんと杉野くんなら、大丈夫だ。広めないでねと前置きし、告げる。

「…私は去年から、百合香と付き合ってる」

「え、小桜さんと!?あー、だからあの時怒ってたのか…悪いな…知らなかったとはいえ」

「…そっか…小桜さん…。望は前から知ってたんだよね?」

「…ああ。2人が付き合い始める前からな」

「…私は元々、異性を好きになれないんだ。自分が女である自覚はあるけど。初恋も女の子だった。けど…彼女は違う。"私が女だから"じゃなくて"私だから"好きになったって言ってた。私は…彼女が男だったらきっと、今の望と同じような関係で、それ以上にはなれなかったと思う。そんな、もしものことを考えたって仕方ないとは思うけど…怖いんだ。もしも、彼女の気持ちが私から離れてしまって、次に選んだ相手が男だったらって思うと…」

彼女も同じことを言っていた。お互いに同じ不安を抱えている。考えたって、仕方ないこともわかっている。きっとこの不安は、時間が解決するしかない。他に方法はない。

「…百合香に会いたい」

「…電話してみたらどうだ?」

「迷惑じゃないかなぁ…」

「2組はどこだっけ、電話出来ないところじゃないよな?」

「確か…お台場?」

「…でも、同じ班の子に…」

「女子は張本さんと月島さんだよな。2人は…知ってるんだっけ」

「うん。2人はね。男子はそもそも誰かわからないな…」

「確か…小桜さんは…安西と中岡だな」

上野くんがしおりを開く。名前を聞いてもピンとこない。
望が顔をしかめた。

「中岡は大人しいオタクだよ。安西は…中岡と趣味が合うらしくて仲良いけどちょっと女子に対して強引なところあるからな…」

去年同じクラスだった杉野くんがこくこくと頷いた。
通話ボタンを押すのをためらっていると、着信音が鳴り響いた。

「え、百合香…」

「…向こうも我慢できなかったみたいだな」

「俺らはちょっと別行動する?」

「そうだな、じゃあ爬虫類見に行こうぜ」

「「却下」」

ちょっとその辺うろついてくる。と3人は気を使い、私を1人にしてくれた。電話に出る。
愛しい人の声が、携帯から私の名前を呼んだ。


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