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わるい娘、メンヘラビッチとの出会い
【学園物 官能小説】

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もしかしたらという、希望があればそれにすがる、駄目な順子-1

 あたしの子供のころ、突然はじまる水泳教室とか、英語やその他の勉強、しつけの厳しさ、そして記憶の欠損しているパパとの関係、パパのその後、それでも家族がまた一緒に暮らせるのならという希望、パパがいなくなってから始まったママとの関係、今は落ち着いているけどお薬を飲み続けなきゃいけない病気のこと、ママが御守りだって順子に入れたニップルピアスのことを、一部始終時系列で説明したわ。
 順子の独白、栞理ちゃんは時々相槌をうちながら、真剣に聞いていてくれたみたい、駄目駄目なあたしの半生、ろくでもないお話だというのに、後で知ることになるんだけど、栞理にも口に出すのもはばかれる秘密があってね、まあそれは別の話になるんだけどって、あっ脱線しちゃったね。
「それでしたら、うちにお住みになられては、二条家として全然かまわないですから」
「そ、そんなこと、まずいよ、家出の手伝いなんかさせられないってば、栞理ちゃんに迷惑かけられないって」
 言葉とは裏腹に、例え一時でもあのママから離れられると想像してた、あのママから逃げられる? 嘘だ、そんなことありっこない、頭で否定し心で願ってた家出、家から出られるって、いつか絶対に家から出ていくって決めたの叶う日がくるって、そんなことありえないと諦めていたのに、諦観こそが今の今まで順子を支えてきたし、同時にその諦観に縛られもしていた、それから解き放たれるって想像なんかできなかったの、あたしが順子をそうさせていた、順子の為だったから、順子をすくうためだったから、仕方なかったの、ママから守るため、パパから守る為だったんだもん、順子は家から出たいの、いいの? 本当にそれでいいの?
 だけどもし本当に自由になれるならと想像すると、どれだけ素晴らしいだろう、あのママから離れられることなんて、考えもつかない、だから同時にに怖くもなる、こんなあたしがママから離れて生きていけるのかと、自由には先の見えない怖さが付きまとうような気がする、ママと居たくないというのは嘘ではないけど、ママから離れるという怖さも本当の気持ちだって、今気が付いた、気が付いた? 本当はあたしが順子をそう気が付かないように騙していただけなんじゃないの? だとしたらあたしって実に嘘つきで不実な小娘よね、ママがあたしをイジメるのってさ、そういうとこがある娘がいやなんじゃないのかしらねって、これ以上考えたくはないの。
「いえ、家出をしろといっているわけではありません、養子に、二条家の養子縁組に入られてはどうでしょう? 失礼ながら初めてお会いした入学式の日から、順子さんの事を考えない日はありませんで、ましてなぎなた部に一緒になった時には運命というモノを感じてしまいましたわ、それからは徹底的に貴女の事を調べました、断片的にですがパパさんから性的虐待を受けていたこと、そのことを被害者として世間にさらし者にするママさん、その彼女ですがおそらくその……申しにくいのですが、人格障碍者ではないかと、順子さんの実の母親を冒涜するつもりではないのですが、貴女は離れて暮らされたほうがいいのではないかと、そしてこんなカワイイ娘が栞理の家族になれるというのなら、あたくしとしてこんな幸せなことは他にありませんから、ですがこんな重大な事をいますぐ決断しろなどというのは無理ですよね? ですから少し時間を置きましょう、本当は今すぐに順子ちゃんを抱きたいのですが、ごほんごほん、今度修学旅行の宿泊先のホテル……わたくし栞理個人で一室を取ってあります、この言葉の意味お分かりになっていただけますか?」



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