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よだかの星に微笑みを(第三部)
【SF 官能小説】

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錯綜-1

「変身の仕方が知りたい。」
俺のアパートは、アンカと蘭と、三人が会う場所になりつつあった。秘密の隠れ家というよりは、溜まり場と言ったほうが合っていた。何にせよ、ここならまず、どの組織にも見つかることはない。
「飲んだら勝手にする癖に。」
アンカがワインを開けようとするのを俺は止めて
「酔ってからじゃ練習にならないんだよ。思った時に変身できるようになりたい。」
「あたし、変身しないから、もう飲んでいいかしら。」
蘭は上半身裸になっている。形の良い若い乳房が美しい。アンカはボトルを取り返し
「コツは気持ち。スポーツやってると分かることだけど、試合前には意識的にキレるのよ。」
「そんなに俺は怒ったりできない。」
「だから、弘前君には向いてないんじゃない?」
二人とも女子は飲み始めた。
「ちょっといい?」
アンカは言って突然、俺の股間を手で力強く跳ね上げた。
「ぎゃあっ!」
俺は変身した。それでも痛い。
「何するんだよ!」
アンカは
「痛み、女は分かんないもん。弘前君、変身しやすくはなってるみたいね。」
「男って、かわいそう。」
感情のないトーンで蘭が言った。
「もう、強姦するぞ!」
「ここじゃ和姦にしかならないよ。はい、どうぞ。」
蘭がその場で両脚を開いてみせた。青い絹のパンティーだった。
「まあ、いいや。後にする。」
元に戻った俺は、アンカのボトルをまた取り上げると、グラスに注いで飲んだ。
「三人で喧嘩したら誰が一番強いのかな。」
もう全員が素っ裸だ。
「やっぱり男子がいざという時は強いんじゃない? 女性は大体被害者でしょ。」
アンカが人ごとのように言った。蘭は
「三人で喧嘩するって、普通ないよ。二対一になるでしょ。」
「いや、性能の話がしたい。」
「そんなの分かんないよ。いちいち比べるのも出来ないし。」
アンカは取り合わない。
「男子が強いってことにしといて。女は奉仕すると見せかけて、男に奉仕させればいいの。」
蘭が、股間をまた見せながら言った。毛を剃ってあった。
「二人の必殺技は?」
「玉からの裏筋舐めとか。」
「伸身ツカハラ跳び二回半ひねり。」
「あー、話にならない。」
アンカは
「女子はそんな話に興味ないの。それより、まだ乾杯してないよ。」
三組織の新型比較も、変身練習も、素通りし、結局、酔って散々セックスする晩に終わった。
ここでは、俺たちは組織の人間でも改造人間でもなく、ただ三人の個性に過ぎないのだった。


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