投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

わるい娘、メンヘラビッチとの出会い
【学園物 官能小説】

わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最初へ わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 64 わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 66 わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最後へ

江戸蔵高校なぎなた部-2

「あら自己紹介が遅れましたわね、二条、二条栞理と申します、どうぞよろしく」
「葛西……順子っていいます」
 グダグダなあたしの挨拶のあと、相変わらず手首を離してくれず、潤んだ瞳が特徴のこの娘を……話しかけてくれた彼女の事に気が付いた。
 やけに綺麗な顔した女の子が入学式にいるなあって、保護者の男の人がやけに若くってハンサムなひとだなぁって思ってたこの娘、同級の二条さんだったんだね、あたしみたいなコミュ障から人に接すること出来ないし、へー彼女もなぎなた部に入部するつもりなのかと、どっか期待しちゃってるのかな?
「ご一緒に観戦しませんか?」
 左手のリスカ痕をきゅうって握られて、もし逃げたら何か噂されそうで、脅されてるみたいで、
「うん」
 彼女から目を逸らして頷いたわ。
「よかった、断られたらどうしようかと」
 屈託なく笑うこの娘の笑顔がやけにまぶしい、眩しすぎてあたしには直視できないくらい。
 機動隊隊長と対する女子高生って、二条氏の説明だと同じなぎなた道場に通っていた一つ上の先輩って事らしい。狭い世界なんだろうな、まあ女子同士だしね。
「こんなこといったら失礼だし、不躾にも程があるのかもだけど、JKが機動隊の警視流なんかに勝てるものなの、ありえなくない?」
 順子の想像の中で男の人に女の子が対抗できるスポーツなんてありえないって思っていたしさ、パパのこともあるし……女子なんてものは男子に勝てないものだと、所有物みたくされてもしかたないって、諦めさせられていると思っていたから。
「ん〜〜〜、まあ彼女、鈴木さんって、見ての通り、純日本人って感じではないでしょ? 彼女クォーターなのです、別に偏見とかありませんから、彼女セルビアの血が入っているらしいのですけど」
 セルビアか……神尾はボスニア人のハーフだったよな、だったら今日子先輩を「負けろって」ディスるのかなって、あんな善い奴がそんなことはしないって思いたい。
「鈴木氏、よい試合にしたいですね」隈本さんがニコリって笑って鈴木さんにぺこりと頭を垂れるのに、
「よせよ心にも思ってもねえことをよ、一年前の悪夢はオレを斬ったことのみによって振り切ることができんだろーが、やってみせろ、武道なんてそんなものだ、悪夢から開放されるぜ」
 犬歯が光ってる、女子なのに、なんて眼してんだろうって、鈴木さん。
「今日子、口が悪いわよ」
 顧問って感じの審判がたしなめる。
「うっせっていう、BBA、一年ぶりの真剣勝負なんだ、よりリアルに盛り上げてやろうっていうの、空気嫁っていうー」
 女の子だって言うのに、なんて言い草かしらって、あきれました。
「まあまあ、武道は勝ち負けが問題ではありませんから、まして異種格闘戦、お遊びではないですか」
 大人のヨユーって感じで、さわやかな笑みを崩さない隈本さん。
「だってよ、BBA、安心しろってーの、オレが剣道のおっさんちぎってやっから」
 その瞬間、隈本さんの目つきが殺気に満ち満ちたみたく光るの、
「今日は負けん……」
 殺気に当てられた鈴木さんが、大きく眼を見開いて笑うのよ、
「そうだよ、その眼だよ、待っていたぜ〜〜フハハハハハッ、武道なんて殺し合いの言い訳でしかねえんだからよ、存分に対手してやるぜ、もちろんオレがまけたら例の返事もちゃんとするわ、オレは強い奴が好きだから」
「勝負の前にそんなものは邪魔だ」
 なんてワルなんだろうって、女ボスキャラがいかにも言いそう、正直彼女が負けるの超期待しちゃうのだ。


わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最初へ わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 64 わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 66 わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前