投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

わるい娘、メンヘラビッチとの出会い
【学園物 官能小説】

わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最初へ わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 60 わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 62 わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最後へ

生きのびるため-5

 いくぶん病状がましになって、落ち着いたころ図書館で一通の手紙を書いた。ママに直接言うの怖くていえなかったことを伝えるためのお手紙、できることなら進学する高校は自分で決めたいこと、進学先での部活動は入った先で自分で選びたいこと、順子は病気になったとしても一人の人間だってコト、ママなしで生活はできないからそのことをとっても感謝していること、順子は女性になりつつあるのだということ、ママと同じくあたしは女性をどちらかというと男性的な目で見るということ、あ、あくまで自意識は女性だということ、病気が寛解したならできることならママと性的なことはしたくないということ……ママを怒らせないように、言葉を選んで、心をこめてお手紙を書き終え、その夜、ママのかばんのなかにそっとそれを忍ばせたわ。

 何日かし、沈痛な面持ちでママから話があると告げられるの、すぐ例のお手紙のことだとわかった。ママを悲しませるところがあったなら、ママとお話をして、二人の関係を浴直していきたいって。
 でもママが持ち出してきたのは、パパから送られてきた手紙で、順子はまだ子供だというのにママを酷い言葉でなじっているも同然だ! 14や15の小娘が親の庇護を振り切って生きていけるとでも思っているのか、高校をママが選んできたのは順子のことを思ってのことだろうそんな簡単なこともわからないから小娘だというのだ……パパが順子に性的なことをしていたのは悪いと思っている、苦しい言い訳かもしれないが順子のことが可愛かったものでな、だがママのそれだって同じことじゃないか、ママのことを警察に訴えて擁護施設で暮らしてでも行くつもりなのか? ママから性的指向を気づかされたというのに、恩を仇で返すつもりじゃないだろうな、今回の君の手紙の内容にはいささか失望したよ、願わくばママのいうとおりにしてあげなさい、ママを心配させて病気になどしないように。
 散々な内容で、次第にママはぽろぽろ涙を、流して、
「私が悪いのかしら……育て方、どこかで間違ってきたのかな……」
 こんないわれかたしたら、順子は不安で仕方なくなってしまう、ママに頼らないとママをこんなに悲しませるんだったら、やっぱりあたしは間違っていたんだって、そう、コレでいいと思う、時にこっぴどく叱られるの必要ですもの、順子は二人からこんなにも思われている幸せな娘なんだって。
 そうして心の奥底に、ぐちゃぐちゃ粘つく澱をまたひとつ、順子はあたしに溜め込むの、でも順子が生き延びるためには大切なことだと思うのよ。
「ごめんなさいママ、順子が間違っていた、ママそんなに悲しんでいたんだね、時々ママって気づかせてくれるようになったものね、昔はよく取っ組み合いとかしたけど、今じゃこうやって話し合いで解決してくれるの、ほんとうにありがとう」
「順子ちゃん、ごめんね、わかってくれたのね」
「うん、そうだよ」
「それでね、ママよく考えて順子ちゃんにプレゼントしたいものがあるの」
 さっきまでめそめそしていたママだったけど、元気になり、それにしても急にプレゼントだなんて、
「コレなんだけど、どーかな? かわいいと思うのよね」
 後生大事に取り出したのはハートマークのついた銀色の輪なの、いったいなんだろ。
「ピアス……かな」
 ママが嬉しそうにわらった、でも順子まだ中学生だし、不良じゃないんだからって。
「ママとおそろいにしてみたんだけど、デザインとかどうかしら」
「うーん、ハートマークとかかわいらしいけど、どうして急にピアスなんか耳に開けるの、なんか怖い」
 首を横に振って否定するママだった。
「これはね順子ちゃんを守るための誓いみたいなものなの」
「?]
 意味がよくわからない、ピアスをすることがあたしを守る誓いって、どういうことだろうか。
「このピアスはね、耳に開けるのじゃなくって、乳首に開ける物なの、ね、素敵じゃない」
「すっ、素敵じゃないって、ママ……」
「順子ちゃんの幼児体系の貧乳が大きくなるようにって、ゲージ数は8Gのキャプティブビーズリングよ、しっかりプレイに耐えられる太さで、素材はチタン製、うふ、もっとも金属アレルギーを起こしづらい金属で、プラチナより丈夫なくらい、やっぱり鉄系元素よね、きっと順ちゃんの浮いた鎖骨ととっても相性がいいわ」
 ぐわんぐわん眩暈のするようなことをいうっていう、目くるめく景色って、破滅の形を成すんだと思う。パパに犯されてきたという過去が秘密にしておきたいことなら、現在進行形で進むママとの情愛、性愛、それらには秘密にしておかなければいけないにおいがしてさ、秘密にし続けるのって特別な魅力みたいのがあるの、パパの時だってそうだったもん。
「つまりこのピアスは婚約指輪みたいなもので、その秘密の契約なんておいそれと人に話せる内容じゃないし、できる限り隠して置かなくちゃいけないものだから、必然的に悪い虫から順子を守る契約になるし、もし万が一変な男に食い物にされることを考えれば、より一層秘密にしなくちゃいけないってコトでしょ? だって変態男から見ればやりたい放題しほう題の少女に見られるかもしれないものね、確かにママの言うとおり筋が通っているかも」
「さっすが順子ちゃん、私の生んだ子ね、頭ったまいいんだから!」
 ママとの愛情を証明するため、母娘で乳首ににピアスをし合うって、お互いがお互いに縛りあえない心をこれ以上なく束縛し合えるって、なんてデカダンスで破滅的、秘密を共有しあう甘さがあるのかしら、他人に見せられない瑕をひとつ、持てるって、ぞくぞくするような罪悪感があって、抗いきれない魅力があるんだよ。
 もしそんな親子で抱き合えたらどれだけ相手を征服し合えるのかと考えただけでムラムラ来てしまうって、あたしってママそっくりなんだね、なんて残酷な事実だろうって。


わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最初へ わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 60 わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 62 わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前