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梨花
【その他 官能小説】

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梨花-5

 「ボートに捕まってセックスしよう」
 「どうやって?」
 「ボートのへりに捕まれ」
 「こう?」
 「違う、後ろ向きにだ」
 「あそうか」
 「そうそう、しっかりつかまってろよ。少し腰を突き出せ」
 「なんかフワフワして頼りないね」
 「余り動けないから手で刺激してやろう」
 「うう、もっと強く押して、擦らないで押して」
 「こうか?」
 「うん、そのまま強くしたり弱くしたり・・・」
 「お前俺のこと好きか?」
 「大好きだよ」
 「海ん中でセックスしたこと今まであるか?」
 「無いよ」
 「嘘付け」
 「本当に無いよ」
 「どんな気分だ」
 「くらげになったみたいな気分」
 「俺はタコになったみたいな気分」
 「ああ、浜辺の人が皆見てるよ」
 「見てるように見えるだけだ」
 「でも双眼鏡で見てるよ」
 「双眼鏡で見たって水の中は見えない」
 「でもやってるの見え見えだよ」
 「それがいい。見られてると感じるか?」
 「うん、気持ちいい」
 「露出狂め、顔を上げてお前のあえぎ顔を見せてやれ」
 「恥ずかしい」
 「恥ずかしくない。お前のあえぎ顔はとても可愛い」
 「声が出ちゃう」
 「声を出せ。大自然に負けないように大きな声で喘げ」
 「聞こえちゃう」
 「聞こえやしないさ。いつものように大声出してわめけ」
 「聞こえちゃう。ほらこっちへボートが向かってくる」
 「声くらい聞かせてやれ、ほら、いい声出して鳴け」
 「ううぅーん、もう駄目、もう駄目」
 「何が駄目だ?」
 「もう行く」
 「行け行け、いつでも行け」
 「ああああぁー」

 オサムは腕力には自信があるので近づいてくるボートを気にもせず性器をつなげたまま梨花の背中にぶら下がっていた。梨花は大きく喘いで顔を伏せている。濃い化粧も今はすっかり洗い流されて意外にあどけない素顔が現れている。ボートは20メートルくらいまでは近づいて来たが、それ以上近づいては来なかった。オサムの顔と体に恐れをなしたのか単に覗きに来ただけなのか。2人が既に終わったような様子でいるのを確認すると引き返していった。それからオサムは悠然と下半身丸裸の梨花をボートに押し上げてやり、ボートの中でゴムのパンツを穿かせてやった。
 梨花は家を出る時から蛇皮模様のミニのボディコンの下にこの水着を着てきたのだが、帰りは流石に蒸れるので脱いだ。服も着替えて白いニットのタンクトップにぴったりした黒いサテンのショート・パンツを穿いた。梨花にしてはあっさりした服装だが、とは言ってもタンクトップの面積は非常に小さくてブラジャーが少し縦長になっているだけみたいなデザインである。ニットだから大きな胸が余計大きく見える。ショート・パンツは如何にも健康そうに良く育った梨花の太ももをピッタリと包んでいる。指先すらも入り込めないというくらいピッチリとしている。つまりピッタリしているという以外には特に変わったショート・パンツではないのだが、股上は普通のショート・パンツとは著しく異なる。上端が腰骨まで届いていないからお腹が盛大に露出しているのだ。つまり股上が極端に浅いのである。毛深い女性なら恥毛の上の方が見えてしまうだろうと思える程である。後ろはお尻の割れ目が少し露出している。下が普通であるだけに上が短いことが余計目立つ。
 オサムはとにかく肌を露出した服装を好むのである。女の腹は真っ平よりもほんの僅かに膨らんでいる方が良い。その方が女の脂肪を感じさせて眼に快い。脂の乗ったマグロのような滑らかな肌を見ているとかぶりつきたくなってしまう。女の体は曲線だけで成り立っていてしかもシンプルなのが良い。一筆書きのようなプロポーションが最高である。だからそれを隠してしまうような服装は美を演出するという服の重要な機能に反するものである。
 という訳でオサムの好みに合わせて梨花は常に体に密着し、且つ面積の小さい服を着ることになる。ゴチャゴチャした色柄は好まないが鮮やかな原色が好きで、光るような素材ならもう言うことは無い。帰りの電車の中でも梨花は衆目の的だったが、そんなことには慣れていて、全然頓着無く小さく丸まって横になり、オサムの膝に頭を乗せて眠ってしまった。梨花の頭がそのうち次第に重くなってオサムの膝から股のあたりは痺れて来たが、むしろそれが守ってやっているという実感を生んで心地よい。この肉の塊がどうしてこんなにも俺を夢中にさせるのだろうと、オサムは梨花の寝顔を見ながら考えていた。性的なことは何も考えていないのにオサムの性器は固く立って、眠っている梨花の後頭部に当たっていた。


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