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梨花
【その他 官能小説】

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梨花-34

 「ごめんね。ときどきオサムはこうなるの」
 「ああ、すいません。つまらないこと長々と喋っちゃって」
 結局少し座がしらけたところで夜も更け、お開きになった。

 「それでオサムは本当のところ売春についてどう思っているの?」
 「うん。結論を言えば売春は双方とも全く自由意思でやるんなら、悪いことではないと思っている」
 「うーん、それってなんか凄いことなんじゃないかな。そうなるとなんか悪いことが起こりそうな、そんな不安を感じるんだけど。だって子供の頃から売春はいいことだと思って育つ訳でしょ?」
 「そう。売春はさっき言ったように悪い事じゃないと皆が思うようになれば値段が暴落して成り立たなくなるんで、問題は売春の是非というよりフリー・セックスの是非ということになるんだと思う。それは梨花が言うとおり凄いことだと思うし、きっと何か悪いことが起こるという梨花の不安は当たっているんじゃないかと俺も思うよ。例えばエイズが流行ったり、セックスレスや同性愛が増えたりというのもその悪いことのひとつだと思うけどもっとなんか予想も出来ないような悪いことが起こると思う。それでフリー・セックスとのバランスが保たれることになるんだと思うね。つまり、そういう風に自然界はバランスを取るものなんだ」
 「なんか怖いわねー」
 「大丈夫。それは少なくとも何百年という単位の話で此処数年先にそうなるという話じゃない。例えば遠い未来には人間にも発情期が出来てそれ以外の時はやる気も起きないなんていう風になるのかも知れない」
 「それも厭だなぁ」
 「そうだな。だからそうなる前にいっぱいやっておこうな」
 「うん、いっぱいやろう」
 「俺はお前とセックスしてるとな、時々幸せ過ぎて怖いって感じることがあるんだけど、そんなこと売春じゃ絶対感じないだろ。セックスってなんかそういう精神的なものが伴うものであって欲しいと思うんだ。やっぱり男はロマンチストなんだろうな」
 「私だってそう思うわよ。そんなの男だけじゃない。オサムとセックスしてると私、体中穴だらけになったらいいと思うのよ。それでメチャクチャに壊れるまで全部の穴に突き刺して貰いたい、なんて考えるの」
 「そうか。じゃあ早速今日は耳の穴でも試してみるか」
 「耳の穴にどうやって入れるのよ」
 「うんちょっと無理かな。鼻の穴はどうだろう?」
 「鼻が破れちゃう」
 「それじゃ口とお尻とあそこの3カ所に全部入れてみるか」
 「うん。入れてみよう」
 「お前が入れる訳じゃない」
 「うん。入れられてみよう」
 「衛生上の問題があるから、どうしたって順番は口、あそこ、お尻の順になるな」
 「そんなのどうでもいい。始まっちゃえば、私汚いなんて気にならなくなっちゃうから」
 「そうか? でもお前のうんこ汚いからな」
 「酷い。私のうんこなら汚いと思わないって言ったじゃない」
 「それはおしっこのことだろ」
 「そうか」
 「お前のうんこは特別臭くて汚いぞ」
 「酷い。それ誰と比較してんのよ」
 「俺と」
 「馬鹿。オサムのうんこはもっとずっと臭い。オサムが入った後のトイレなんて入れないんだから」
 「そんなこと無いだろ。お前俺が入った後に限ってトイレに行くじゃないか」
 「それは逆よ。私が入ろうと思った時に限ってオサムが先に入っちゃうんだわ。何でいつもこうなんだろって恨めしく思ってるんだから」
 「ハハハ。恨めしく思いながらお前トイレに入って行くのか」
 「そうよ。もうひとつトイレが欲しいなっていつも思うのよ」
 「そうか、じゃこれから毎日じゃんけんしてトイレに入る順番を決めるか」
 「いいの。オサムはいつでも入りたい時に入っていい」
 「やっぱり亭主を立ててくれるのか」
 「違うわ。あんなに臭いうんこは少しでも早く出さないと体に悪いだろうと思って」
 「ふん、それは有り難いお心遣いですな」
 「でも、同じもの食べててなんでオサムのだけあんなに臭いんだろうっていつも不思議に思うのよ」
 「あのなぁ、お前。それは俺の科白だよ。誰でも自分のうんこの匂いはそれ程気にならないから人のだけ臭く感じるんだ」
 「そうなのかな」
 「そうそう、そうなの」
 「じゃあそういうことにしといて上げる」
 「何が『そういうことにしといて上げる』だ。お前はしょっちゅう俺が浣腸してやってるから古くて臭いうんこが残っていないんだ。俺に感謝しなきゃいかんぞ」
 「じゃあ今度は私がオサムに浣腸して上げようか?」
 「いい」
 「いいって?」 
 「厭だ。俺はそういう趣味無い」


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