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祭りの日の儀式
【若奥さん 官能小説】

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宵宮-3

「これがまた上手でな。突っ込む前に昇りつめて、我慢できずに何度も顔に引っ掛けてしまったもんだよ」
 抜群のフェラテクで、伊造は骨抜きにされることもしばしばだったようだ。
「いやぁ、伊造さんとこは本当にベッピンさんだったんだよ。隣町の奴と奪い合ってものにした話は有名だ」
「ああ、あの時は、凄かったな。お互いが、手を変え品を変え口説いておった。見合い結婚が普通だった時代だ。親同士が決めたことに、歯向かう奴なんかいなかったんだが、伊造さんは頑としてあの女と結婚するんだって。言い張って、人の意見なんて聞きやしなかったしな」
 熱烈な恋愛結婚だったことは、皆知ってのこと。
 そして、伊造の奥さんが、本当に美人だったことは間違いないらしい。
 自分たちに火の粉が飛んでこないよう、遠巻きに見ていた長老衆が、若手に対して教えてくれた。
 そうは言っても、今の顔しか知らない若い世代は、その姿を想像できず、却って婆さんの顔がチラつくだけで、考えることなどしたくなというのが、本音だ。
 まだまだ、伊造の色話は続く。

「白いやつが顔にタップリかかって、汚い汁まみれになっても、知らんぷりなんだよ。平気のへっていう表情して。それどころか、汁を拭くこともせず、笑いながら、先っちょに残った汁を美味そうに啜るもんだから、そこで終われんよなあ。だろっ」
 この日の餌食は、今年焔民に入った20代の役場職員だった。
 だろって言われたところで、返答に困る。苦笑いで、流すしかない。
 それでも、伊造は気にもせず、更にヒートアップする。
「でっかい乳をこうやって揉んでやって、おっ勃った乳っ首をコリコリっとな・・・・・・」
 またもボディーアクションで、具体的な動きを説明する伊造。
「わしもそうなると、またまたおっ勃つもんで、すぐに捻じ込んでやろうと思うんだけんど、いやいやここで焦らすのがいいんだわ。あんたのような若いもんは、すぐに入れようと思うだろ。それだと本当には満足せんのだよ。女ってもんは」
 焦らすことが、一流のテクニックかのようにひけらかす。当時はどうかわからないが、今の時代、焦らすことぐらい当然ともいえるアクションだとは、知る由もない。
「指でオマンチョをいじってやるんだ。触った時はもうビッチョビッチョなんだけんど。それでもかまわず弄ってやると、いやあ出るわ出るわ、汁が出る出る。ケツの穴っこまで垂らしよる」
 下品な表現を、衆人環境で堂々と話し出来るのも、この街ならではのことかもしれない。
 女集もこの手の話になれば、この伊造レベルのことを平気で話すらしい。
 それがこの街の文化であり、脈々と受け継がれる「この街の常識」となっている。

 伊造の話は止まらない。
「そのまんま四つん這いにさせて、オマンチョだけでなく、ケツの穴っこまで舐めてやったわ。そうしたら、ヒーヒー言って、早くチンボコ入れてって喚くわけだ。グフフフフ」
 卑下た笑い。ちょっと行き過ぎの空気が流れる。
 毎年聞かされている連中も、呆れた表情をし始めた。
「そこで初めてズンブリと入れてやるんだ。チンボコを奥まで差し込んでやったら、するすると入っていくんだわ。そのまんま犬っころのような格好で突いてやると、アンアンいい声で泣きよる泣きよる。ケツの穴丸出しで、頂戴頂戴奥まで頂戴と尻を振るんだ。でっかい尻をな」
 ここまで大声で下品極まりないことを言い続けていると、さすがに周りも引き始める。

 その状況を察して、小野寺がスッと伊造の隣に座る。
 そして、日本酒を注ぎながら、切り出す。
「いやぁ、いつ聞いても伊造さんの話は、羨ましくてしょうがないわぁ。だから、息子さんと娘さんが5人もおるんね。お孫さんは、何人だったかな!?曾孫さんも5人だったか」
 ここらが潮時と、小野寺が上手く話を誘導した。
「それが、この間一番下の孫も、嫁入りが決まってな」
 曾孫たちの話を振ると、一瞬にしてエロモードが解除され、出てくることは家族のことばかり。
 さすが、長い付き合いの小野寺先生。扱い方を心得ている。
 解放されたルーキーも、ホッとした表情で、ササッと焔民ゾーンに戻った。

 約5時間が経過し、時計は23時30分を回った。
 既に、30分ほど前から、皆、酒を控えつつあった。ルールでは、今日の内なら飲んでもいいことにはなっている。しかしそこは、酔っているとはいえ、身を引き締めているのだろう。神様を前に、醜態をいつまでも晒せないぞということなのか。
 これも例年のこと。いつの日か、30分前には場を収め、帰宅して祭り当日を迎えることが常となっていた。
 バカ騒ぎをしていたけれど、そこは皆、生粋の焔の男たち。神事であることの理解と、幼き頃から植え付けられた、信仰心の成せる術なのだろう。
 ほどほどに酔っ払い、乱痴気話を繰り広げていた伊造でさえ、背筋を伸ばして、神社に向けて一礼している。
 これが焔の民の、真たるところなのかもしれない。

「それじゃあ、そろそろお開きとしようか。明日からもよろしく頼みますぞ」
 小野寺の〆の言葉で、場は解散となった。
 すぐさま若手は、場の片付けに取り掛かる。慣れたもので、ものの数分で撤収完了。それぞれ、家路に着いた。
 臣吾の家は、南部地区。悟の家は、西部地区にある。
 帰り路は、飲めない後輩の車に乗せてもらい、自宅まで送ってもらった。
「じゃ、明日からよろしくな」
 悟は、助手席の窓を開け、先に降りた臣吾に声を掛けた。
「こちらこそ」
 臣吾はそう言って、悟とドア越しにグータッチをして別れた。

 臣吾は、おもむろに夜空を眺めた。
 雲一つない夜空に、キラキラと輝く満天の星。
 この星たちと、焔のコントラストが、祭りを燦然と輝かせる大きなファクター。
 明日も晴れて、きっといい祭りになる。
 そう思い秘め、家の中に入った。


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