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俺は他人棒
【熟女/人妻 官能小説】

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片山未来(25)その2-7

「そう……一四○六です。早く来て下さい」
 それだけ言って、未来は禿オヤジとの通話を切った。
 都心のホテル上階は、ビル群を睥睨する見事な景観だ。こんなところに部屋を取るのは初めてのことらしく、未来はずっと窓辺に立ってはしゃいでいた。
「エレベーター早いんだから、すぐ来ちまうぞ。準備しろって」
 俺は未来の手を取り、ベッドへと引き倒した。
 未来の身体からバスローブが落ち、艶やかな白磁の肌が露わになった。

 スケベ心が膨れ上がってパンク寸前になっていることだろう。
 薄ら禿中年には期待を高めさせるべく、思わせぶりな素振りを取るよう未来に指示しておいたのだ。
「予約」の日が近づくにつれ、清掃で入っている禿オヤジに未来は、俺の吹き込んだ挑発的な誘い文句を囁いた。
「あと三日ですね」
「おじさん、性欲強そうだから楽しみ……」
「最近、誰ともエッチしてないの」
「乱れすぎちゃうかもしれないけど、引かないで下さいね」
 これ以上ないくらいに鼻の下を延ばしたオヤジに未来はそんな言葉をかけ続けたのである。
 未来曰く、
「ジンマシン出そうだったよぉ……」
 とのことだが、こいつも案外デフォルメした過剰な痴女妻を楽しんで演じていたのではないか。

 未来のほうから指定してきた(その裏で俺がセッティングしたのだが)ゴージャスなホテルに気後れする暇もなく、喜び勇んで駆けつけた薄ら禿の脅迫者は、未来が待つ一四○六の前に立った瞬間、背後から木俣に肩を叩かれる段取りになっていた。
「あれぇ、土居さんじゃないですか。何やってんです? こんなとこで」
 一四○六は棟の中程に位置している。薄ら禿の「土居さん」が部屋に向かって歩く間、非常階段で待機していた木俣が追跡スタート。歩調を調整しつつ追いつくには打ってつけのポジションだった。
 まさか木俣がいるとは思っていなかったであろうおっさん──土居が部屋の中へ突き飛ばされつつ入ってきて、眼にするものは。


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