投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

わるい娘、メンヘラビッチとの出会い
【学園物 官能小説】

わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最初へ わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 48 わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 50 わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最後へ

教室という箱庭-3

 次の日の授業、体育の卓球、とき、先生が言う、
「二人でペア組んで下さい」
 血の気が引く思いです、おとといまではこんなことはなかったけど、いま順子が生きる世界は違ってしまった。誰もあたしとは組みたがらないって、女子同士の視線のやり取りを背中でありとあらゆる事を感じる、どうしようもない疎外感、孤独と焦燥を、同情とか、処女じゃない仲間意識。
 どうしよう……おなかが痛いので、保健室行かせてくださいって言おうか?
「葛西さん、一緒に組もうよ」
 あんまり優しくない(だからかえって優しく感じる母性、のようなもの)、だけどはっきり聞こえた、力のある声だ。
「……船橋さん」
「あぶれモノ同士だからじゃないよ、私はあなたと組みたいだけ、いいでしょ」
 ホントはあぶれモノ同士なのかもしれないけど、気持ちがうれしい、女同士だから。
 実は学校に来て、教室に入るの怖くて仕方ないのを、居室の前で震えているの船橋にみられたんだろうかな? 船橋が神尾を連れてきて私を教室から離れた場所まで連れて行ってくれたの。
「ねえ、僕たちで同盟を結ばない?」
「同盟?」
 ナニ言い出してるの、
「そう、教室とか、学校行事があったりしたときはこの三人で一緒に行動するようにするっていう同盟」
「ふーん、同盟ね……」
 男の人が怖いっていう感情ができてしまったけど、協力し合う同盟っていうのならいいかもしれない。
「私は葛西君が入るのならいいよ」
 安っぽい友情とかじゃなくって、同盟っていうのが気に入ったの、教室の空気に耐える同盟、葛西ってすごい発明家かもしれない、だってアノ空気感耐えられない、居るだけで戦わなきゃいけない雰囲気、無しにしたいもの。
「ナニ急にあいつらツルミだしてるの?」って言われても、あたしたちしか知らない秘密の同盟があるから平気な気がするよ。素敵な提案でしょ、少し心が躍る、ちょっとだけ身体が軽い。
「入ってあげてもいいかな、あたしも混ざってあげるわ」
 なんだか楽しい、思わず笑みがこぼれてしまう、笑うのっていったい何時ぶりだろうか、心を軽くしてくれる魔法のような言葉だった。
 でもそれだけ同盟は重い、相手を尊重し、嫌なことは相手に言わない、自分のことを話すときは慎重に言葉を選んで、相手を大事にしないといけないっていうことだと思う。
 というわけで、早速体育の授業のとき、船橋さんが同盟を発動してくれたってわけ、どんなに心が救われただろうか言葉にならないくらいよ。
 その同盟に従って、お昼の給食(その日は偶然お弁当)を三人で囲んで食べたの、そのときに、
「この同盟をより強固にするために、GWにみんなでどこかに出かけてみない」と神尾君。
「神尾君はどこかいきたいところあったりする?」と順子。
 いいのかなー、順子みたいな汚い娘がこんなことに口出しても、彼女の応援はしたいし、でも彼女が幸せになるのは素直に喜べない。
「私たちのムードに割り込まないでくれませんか」頬を染める船橋さん。
 いいよ船橋さん、がんばって、その調子!『ヤッベェ、この子可愛いかも……』そう思いつつ、この娘の無表情を思ったら高まってくる。
「えー急に言われても……うーん」
 どこでもいいのよ、もうコレだから男子は、船橋さんと神尾が楽しければどこだっていいのに、そんなこともわからないのかなあ、ちょっと鈍すぎでしょっていう。
「逆に葛西さんは行きたいところって、ドコ?」
 !?
 な、そ、そんなの急に言われたって、え、行きたい所って、え、誰と……強いて言えば船橋と? え? そうあたし思っちゃってるの? いや、マジですか……でも、あたし神尾君に嫉妬とか感じていないし、むしろ二人で仲良くして欲しいし、って、もし船橋と行くならとかって、……「葛西、あたしの苗字とかぶる葛西水族園とかどーだろ?」
「あ、それ、いーね、そこにしようよ」
 ぶっ! 神尾君って、聞かれていた? いったいどこから思わず口にしたのでしょうか? 船橋には聞かれていませんように〜〜〜
 そんな楽しい時間に、不意によみがえるママとの行為、順子が女の子が好きになる子だって気づかされたあの行為を思い出し、船橋さんを汚しているような気にさせられ、気分が悪くなってくるの、そっと席を外して、保健室に駆け込んだわ。それを後で心配して様子を見に来てくれた二人に申し訳なかった、どれだけ順子は駄目なんだろうって、卑しくなってしまう、あたしなんか助ける値打ちなんかない売春婦なのにって申し訳なくなってしまうの。


わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最初へ わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 48 わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 50 わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前