投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

呪いを解いての最初へ 呪いを解いて 84 呪いを解いて 86 呪いを解いての最後へ

チョコレートと王子様-4

「こんにちはー…うわ、まだ食ってんのか…」

放課後。部室でも海菜はひたすらチョコを食べていた。今日一日チョコを食べている姿しか見ていない気がする。
最後の一粒を食べ終え、はぁ…と溜息をつく。もうしばらくチョコは見たくないと据わった目をして呟いた。

「こんちゃー。うわ、なんだこの甘い匂い…」

副部長の佐倉雪先輩だ。俺たちを見て「相変わらず仲良しだな」と微笑ましそうに呟く。

「こんにちは、佐倉先輩。…すみません、チョコレート食べてたので…換気しましょうか?」

「いや…寒いからいいわ…てか、すげぇな王子…毎年こんなんなの?」

「…中学の頃より多いですね…」

「そうか、女子率高いもんな…。流石にその量見たら羨ましいとか言えなくなるわ。…全部食ったの?」

「チョコレート自体は好きですから。…この日だけは嫌いになりますけど」

「…やっぱ、女の子からガチで告白されたりすんの?」

「ありますよ?今日も何通か手紙付きでしたし…まあ、全部断りますけど」

手紙に目を通しながら海菜はサラッと言う。女の子だもんなぁと苦笑いする佐倉先輩の言葉にはすぐ否定した。

「女の子だからというか…私には恋人が居ますからね」

「え、マジで?」

そこで視線が俺に向く。

「…俺じゃないですよ」

「嘘。騎士くんじゃないなら誰」

2人で海菜の方を見る。秘密ですと彼女は笑った。
先輩と目が合う。

「…知ってますけど、秘密です」

「えぇ?…まさか…教師と禁断の恋…?」

「同級生です」

「…だから、俺は違いますよ」

「…こーら、雪くん、後輩を困らせるんじゃないっ」

「いでっ…!?お前なぁ…一応俺先輩なんだけど…!」

一つ上の梅野咲先輩の手刀が頭に落ちる。2人は幼馴染だと聞いている。

「…先輩らこそ、どうなんです?」

「は?いや、こいつは無いわ」

「私も雪くんは無いなぁ…王子の方がタイプ」

「は?お前レズなの?」

少し馬鹿にしたような言い方だった。海菜を見る。特に動じる様子はないが、僅かに表情が歪む。

「あはは、まさかぁ。無い無い。王子が男の人だったら好きになってたかもね」

ありがとうございますと海菜は笑顔で返す。その笑顔は何処か曇っていた。言い返したかった。そんな言い方は無いんじゃないかと。けれど、2人は事情を知らない。悪気が無いのは明白だった。口から出かけた言葉を飲み込む。
海菜が俺の方見て微笑む。「我慢してくれてありがとう」と言っているように見えた。


呪いを解いての最初へ 呪いを解いて 84 呪いを解いて 86 呪いを解いての最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前