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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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チョコレートと王子様-3

授業の度に、チョコレートの量について先生達に突っ込まれ、休み時間になると他の教室から生徒がわざわざ見に来る。休み時間になる度に無心でチョコレートを消費する。箱の量はあるが、一つ一つは小さいので食べきれないことはない。

「それ、全部返すのよね?」

「差出人がわかるやつだけね」

「…すげぇな王子…マジパネェ」

「…あのー、海菜ちゃん。大量に消費しなきゃいけない中、申し訳ないのですが私からも…」

小春ちゃんが申し訳なさそうに真っ黒な一口サイズのクッキーが数個入った袋を差し出す。炭のように真っ黒だが、焦げた色ではなく、カカオの色だと思う。

「…ありがとう。貰うよ」

「む、無理しなくていいんだよ…?」

「無理してないよ。頂きます」

チョコクッキーを一枚貰う。甘みはほとんど無い。

「…甘さ控えめにしたら全く甘み無くなっちゃったんだけど…どうかな」

「私は好きだなぁ…甘い物ばかり食べてたから丁度良い」

「苦く無い?」

「チョコレートは苦い方が好きなんだ。ああ、甘いチョコが嫌いってわけじゃ無いよ」

「そっか。良かった。あ、百合香ちゃんにはこっちね。で、長谷川さんにも」

「ん、あたしも?」

「あー、長谷川さんの好みわからなかったから適当に作ったけど…要らなかったかな」

「んーん。貰う。ただ…あたし、何も用意してなかったからさ…。バレンタインにチョコもらったことなかったから、今年も何も無いと思ってた。ありがとね、はるはる。今度お返しさせて。あー、あと、王子もユリエルもはるはるも、あたしのことはきららでいいかんね」

「あ、きららさん。私からもあるの。小春にも」

思い出したように、カバンから2人分のチョコレートを取り出す。
百合香がカバンに手を入れた瞬間、男子の視線を感じた気がした。
2人分?と小春ちゃんが首を傾げ、私を見た。海菜ちゃんの分は?と言いたげな顔だった。王子はもう貰ってるもんね?ときららちゃんがニヤニヤする。

「海菜には昨日もうあげたのよ」

「バレンタインデーの1日前に?」

小春ちゃんの疑問に、躊躇うように小さな声で恥ずかしそうに「誰よりも早く渡したかったから」と百合香は答える。

「え、何その理由。可愛い」

「でしょー?ユリエルマジ天使」

「あ、貴女達ねぇ…!って、海菜も何ニヤついてるのよ…」

私を小突いてから、耐えきれなくなったのか顔を両手で覆う。耳まで真っ赤に染まっていた。


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