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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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文化祭-8

パフォーマンスが終わった。なかなか呼吸が整わない。踊っている最中、何度か彼女と目が合った。こんなにも心臓が早いのは、激しい振りのせいだけではない気がする。

「百合香ちゃん、大丈夫?」

小春が壁にもたれ込む私を心配そうに覗き込む。頷くのが精一杯だった。
入部したばかりの時は一曲踊りきることすらままならなかった。
私だけ別で体力作り中心にメニューを作ってもらうほど。
同級生の中でも、部活の中でも、私が一番体力が無い。
技術的にもまだまだだ。けれど、それを責める仲間は1人も居ない。
ダンス部として、他の学校に比べれば技術は(一部の生徒を除いて)あまり高いわけでは無いが、チームワークは何処にも負けていないと思う。

「空美さんだけ来なかったね」

「ああ、空美先輩は急なシフト変更で行けなくなったみたい」

「そうなんだ…癒してもらいたかったのにー…」

「1年生の皆、お疲れ様」

部長の声で、緊張感が戻る。お疲れ様ですと全員の声が重なる。
立とうとすると、そのままでいいよと苦笑いした。

「座ったままでいいから聞いてね。今日のパフォーマンスは、録画しておいたから、文化祭明けの部活は、全員でそれ見ながら反省会をします。きっと疲れてると思うので、反省会のみです。以上。
皆よく頑張りました。かっこよかったよ。明日は休みだけど…先輩達のパフォーマンス、ちゃんと見ておくこと。いいね?」

「「はい」」

それだけ言い、部長は去っていく。一年生も続いて舞台袖から出て行く。去年までは2日連続だったらしいが、一年生の体力的に今年は厳しいだろうという部長の判断でこうなった。主に私に気を使ってくれたようで申し訳ない。

「…私達も出ましょうか」

「お、もう立てそう?」

「えぇ。…待っててくれてありがとう、小春」

「いいよいいよ。お疲れ様、百合香ちゃん」

「貴女はまだまだ余裕そうね…」

「体力には自信あるからね」

へへっとドヤ顔をする小春。その姿がなんだか可愛く思え、わしゃわしゃと頭を撫で回す。

「な、なになにっ…もー」

「ごめんなさい。小動物みたいで可愛かったものだから」

「えぇ?なにそれ…もー…」

むっとする小春。本当に小動物のようだ。私を可愛いと言う時の海菜もいつもこんな気持ちなのだろうか。


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