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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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文化祭-1

入学して半年。この半年は今までの人生の中で一番…いや、これからの人生でもこんなに濃い半年はもう2度とないだろう。そう思うほど、色々なことがあった。
もうすぐ、文化祭がある。つい一ヶ月前に球技大会があったばかりだというのに。
文化祭は土日の二日間。正確には、1日目が文化祭で、2日目が合唱祭。もちろん振替休日はあるが…一週間丸々休みがないのは辛い。
出し物があるのは一二年生だけで、三年生は一日中自由行動。二年生は飲食中心に、一年生は遊びを中心に何かやることになっている。
ちなみに、うちのクラスは射的、望のクラスはお化け屋敷、従姉妹のみぃちゃんのクラスはメイド喫茶。男子もメイドらしい。

「…海菜はどこか行きたいところ決まってる?」

「私はとりあえずみぃちゃんのメイド姿拝みに行きたい。あとは特に…ダンス部は明日だもんね?」

「明日は先輩達だけ。一年生だけは今日よ」

「そうなんだ。うちと一緒か…つっても私らは明日も出るけど」

「…見に来るの?」

「え、あるなら行くけど…ダメなの?」

「…ダメ…というか…その…」

「海菜ちゃんに見られてると集中出来るか不安なんでしょ」

小春ちゃんが会話に割り込んで来た。百合香は否定も肯定もせず口ごもる。彼女の母親の件がひと段落ついたことは、小春ちゃんにも話してある。付き合い始めたことはまだ報告していないが、多分、なんとなく気づいていると思う。

「…小春ちゃんも当日一緒に周らない?」

「え、いいの?2人きりじゃなくて」

「うん。小春ちゃんも一緒が良い。球技大会は一緒にいられなかったから」

「…私も。というか、むしろ小春が居てくれると助かる」

「助かる?」

「その…海菜と2人きりだと…緊張しちゃうから…」

「今更緊張も何もないと思うけどなぁ…」

「あー…でも好きな人と2人きりは緊張するよねー」

好きな人という言葉に百合香が反応し、顔を真っ赤にして俯いた。
その様子を見て小春ちゃんは、どこか寂しそうに笑ってから、いいなぁと小さく呟いた。

「…小春、好きな人いるの?」

百合香の素朴な疑問に、小春ちゃんの表情が曇る。

「…居る…けど…その…彼女居る人…なんだよね…」

「そう…なの…」

聞いてはいけない事を聞いてしまったという顔をする百合香。小春ちゃんは慌てて謝る。

「…あーえっと、ご、ごめんね。気を遣わせちゃったね…。この話はまた今度!時間があるときに話すよ」

「私は土日ならいつでもいいよ。話したくなった時に誘って」

「えぇ、その時は小春の好きなことして発散しましょう」

ぽんぽんっと、百合香が小春ちゃんの頭を撫でた。
驚いたような顔で百合香を見てから目を逸らし、海菜ちゃんに似てきたねと小さく呟いた。

「…私が?海菜に?」

「…うん。雰囲気が似てきてる気がする。イケメンオーラが漏れ出してる」

「何よそれ」

クスッと可笑しそうに笑う。似てきていると言われても自覚はない。
そういえば、恋人同士や夫婦は似てくるとよく言うが…だから私と百合香は、似てきているのだろうか?だとしたら、嬉しい。

「…嬉しそうだね、海菜ちゃん」

「…顔に出てた?」

「出てるよ。思いっきりね」

「…私が貴女に似てるって言われるのが嬉しいの?」

何故?と百合香が首をかしげる。

「…夫婦は似てくるってよく言うじゃない?」

私がそう返すとしばらくの沈黙の後、意味を理解したのか顔を真っ赤にして私を、それから小春ちゃんを小突いた。


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