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俺は他人棒
【熟女/人妻 官能小説】

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片山未来(25)-4

 今の俺があるのは、ひとえにこの女のおかげかもしれない。
 人生の前半期において、大きなトラウマを与えてくれたキーパーソン。片山──旧姓楳村未来は、そんな存在だった。
 初恋というもの、大抵は実らないと相場が決まっているが、俺の場合は実らなかったどころか、理不尽なしっぺ返しまでおまけとしてついてきた。
 他より色気づくのが早かったのだろうか、俺は小学一年のとき、同じクラスだった楳村未来に惚れた。
 当時から可愛かった未来とは、席替えで連続して隣になるなどもあって、クラスメート中でもそこそこ仲良く喋る間柄だった。
 登校していないときでも未来のことを考えたりしてしまう心の疼きを、恋と悟るのに時間はかからなかった。
 俺は小一の分際で真面目くさったラブレターを書き、未来の下駄箱に入れた。

 ところが早熟な俺に比べて、未来はまだまだガキだったのだ。
 その日のうちに俺の熱い胸の内を綴った紙片は黒板に貼り出され、クラス中の笑いの種にされた。
 すっかり気まずくなり、俺は不登校とまではならなかったものの、未来とはまともに口を聞けないようになった。
 クラスメートたちからは、その後もしばらくは冷やかしの材料にされ続けた。
 人の噂も七十五日というが、進級してからも「伝説」は継続するほどだった。
 俺の心に深い傷を作ってくれた張本人の未来は、別のクラスとなった二年生の途中、親の都合で引っ越していった。

 あの頃のことは、今から思い返せば笑い話に出来る。
 一年生当時から付き合いの続いている幼馴染連中は、いまだにラブレター事件を覚えており、
「俺らも一緒になって笑ってたけど、今にして考えると残酷だよな」
「亮介、よく学校来続けたなマジで。メンタル強すぎ」
「楳村って、今どうしてんだろうな。ルックスはめちゃタイプだったんだけど」
 などと懐かしんで語り合ったりする。
 幼い日の純情を足蹴にされた経験は、成長してからの俺をして女漁りのスーパーヤリチンへと変貌せしめた遠因になっているだろうと、俺は確信していた。
 あの初恋が円満な形で実っていたら、その後の人生はもっと穏やかだったろう。
 歪んでしまった俺の人妻狩り道楽で、まさか獲物として未来に出くわそうとは、なんと皮肉な因縁ではないか。
 未来は俺のことなど忘れているようだった。
 オートロックインターホンで顔を見ても、間近に対面しても俺を誰だか思い出せないらしい。
 だが、まじまじと見つめるうちに記憶の底から蘇ったとみえ、
「え……寿くん?」
 驚愕の色を浮かべ、口をぱくぱくさせた。


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