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私の彼の青い傘
【大人 恋愛小説】

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私の彼の青い傘-2

それから何度も私は、彼の家を訪ねた。テレビの話。最近のオシャレの話。職場でのいがみ合いの愚痴。
何時でも彼は笑顔で聞いてくれた。そして、いつの間にか、私と彼は恋人同士になっていた。


「今日も散歩行きますか〜。」
「行こうか〜。」

私達の間では、雨の日は散歩に出掛けることになっている。理由は、彼が言うには『雨の日に歩くと心が洗われる♪』らしい。ま、私にとっても、彼と出会った日を思い出せるので、結構楽しみである。

「はい、傘。」
そう言って彼はあの時の黒い傘を渡す。
「ありがと。」
「じゃ、行きますかぁ。」

そう言って近所の海に繋がる散歩道に出る。
青い傘と黒い傘が並んで歩く。その度、私は幸せを噛み締める。
噛み締めると同時に、いつか手放すことになるかも知れない、彼の手を探す。……見つけた。直に伝わるあの日と同じ温もり。それを確かめるように強く、強く、手を繋ぐ。


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