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ピンクモアール 〜魅惑のフェロモン
【OL/お姉さん 官能小説】

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上司を追い込む。-1

「昨日は悪かったな、先に寝ちゃってさ!」
翌朝、事務所で顔を合わせた梨田は開口一番にそう言った。
「いえ、僕もあれからすぐに帰りましたんで。」
そう言った後、ニコッと笑って言った浜野。
「奥様にはいろいろとお世話になって、御礼を言っておいて下さい。」
何も知らない梨田は頭をかきながら言った。
「気にしないでくれ。いやー、何か昨日は急に睡魔がきてな。日本酒を飲んだ瞬間に、もう眠くて眠くて仕方がなくなってしまったんだ。普段、あのぐらいでは寝る程酔わないんだが…。もっと話したい事はたくさんあったんだけど、また今度な?」
「はい、また是非!」
そう言って仕事についた。

浜野は梨田の言葉に何か引っかかる事があった。確かに昨夜、そこまで酔っているようには見えなかった梨田が急にウトウトし始めたのを覚えていた。仕事の疲れもあるだろうと特に気にもしていなかったが、今考えればその急変ぶりには少し違和感を感じた。
(もしかしてあの女、日本酒に睡眠薬入れたか!?なら納得が行くな。泥酔した課長が絶対に起きないという自信は睡眠薬を飲ませたからなんじゃないのか?普通もしもの事を考えたら上で旦那が寝てるのに下で部下とヤラないもんな…。それにピル。俺とヤル前には飲んでいたって事になる。あの女、初めからその気だったのか…)
もちろんフェロモン成分を嗅いでからの話だろうが、梨田がトイレに行った隙にLINE交換した時点でその気であった事が伺えた。

(そうか…。凄いな。フェロモン成分に侵されていたとは言え酒に睡眠薬を混ぜて旦那を眠らせてひょうひょうと他人とセックスするなんて…。ククク。)
ますます琴乃が気に入ってしまった。
(ただ怖いな、ちょっと。課長と離婚させたらさっさと手を引こうっと…)
深入りせずに都合よくきっぱりと切ろうと決めた。これからはフェロモン成分の量に気をつけ、適度に飼い慣らそうと思った。
(さてと…。フェロモン成分効果が消えて昨夜の事を思い出して、あの女、どのぐらい悩んでるんだろうな。さっさとLINEよこして来いよ、不倫妻めっ♪)
自分のしてしまった事に罪悪感を感じているであろう琴乃を想像するだけでも楽しくなって来た。

その頃、浜野の想像通りに昨夜自分がしてしまった背徳行為に悩まされている琴乃。どうして自分があんな大胆な事をしたのか自分でも理解できなかった。
(どうしよう…。浜野さん、梨田に昨日の事、話してないわよね…。でも気づかれてたらどうしよう…。こっちから様子を伺うのも怪しまれるし…。しようかな、LINE…。でも…)
自分のした行為は理解に苦しむが、行為自体は鮮明に覚えている。無理矢理された訳ではない。むしろ自分から積極的に浜野に求めた。それが負い目となり、昨日の事はなかった事にと浜野に言えずにいた。
(とりあえず、取り返しがつかなくなる前に、浜野さんにLINEしよう…)
琴乃はようやくスマホを指で操作し始めたのであった。


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