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わるい娘、メンヘラビッチとの出会い
【学園物 官能小説】

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日常といらない娘-1

 先生の命令だとしても、ど、どうして……どうしてこんな酷い仕打ちができるの? 昨日まではお友達じゃなかったのって、身体の震えは止まらないし、目の前がぐわんぐわん回転し始めて、立っているのもつらいの、これが眩暈って言うのか知らないけど、すんごい気持ちが悪い。
「さあ、これで葛西さんのお葬式は終わり、自分の後始末は自分でつけなさい、葛西さん」
 もう言われてる意味わかんない、耳が詰まった見たくなって、先生のお言葉が聞き取りづらくて、眩暈のせいでそれどころじゃなかったのよ。
「せ、せんせい、よく聞こえません、耳が変なんです、あとくらくらして、きちゃって……」
「どうしようもない子ねえ、後始末をつけるって意味は、自分で黒板をキレイに消しなさいって意味よ? 日本語わかる? 貴女みたいな娘は黙って先生の言うことを聞いていればいいの、わかった!」
 ゆっくりと大きな声で、その無表情に底意地の悪い憎しみを張り付かせ、順子を諭す。
「う、うううう、うぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜」
 ぽろぽろ流れる涙を、必死でこらえ、黒板けしで寄せ書きを消す順子だった。
「泣けば許されると思ってんじゃねえよ」
「さっさと消してよねー」

 もちろんご想像の通り、クラス全員が加担してのイジメのフルコースが始まったのよ、逆らえば次は自分がそういう目にあうことになるから、みんなが一致団結して、真面目に順子をいじめるの。無視なんか当たり前で、担任よくわかった上で、体育とかの時には「好きな人と4人チーム組んで」とか言うの、絶対順子があぶれるのわかってるくせに、そういうこと言い出すんだ、で、あぶれた順子には別メニューのヒンズースクワット、腕立て、腹筋を交互に延々させようとするけど、小5の身体にそんなのすぐにできなくなるし、そうしたら待っていたように先生の罵倒が飛ぶし、みんなこっちみてニヤニヤしてるだけだし……順子の存在を否定し、仲間はずれにし、消そうとする、だから女の担任なんて嫌なんだ。
 教科書はなくなって、案の定ゴミ箱にあることなんて毎日のこと、朝学校の机の上には生理用の使用済みナプキンが置かれ、「順子ちゃんは赤ちゃんが出来るようになったので、もし妊娠したならクラスの誰かがプールで射精したってことだよね?」そんことだけはいってくるのも元親友だった真美ちゃんよ。ランドセルの中に教室のゴミが突っ込まれていたときは泣きそうだった、うちのおばあちゃんが「順子ちゃんの為に、ランドセル贈らせてね」そういって買ってくれた思い出の品なのに、それまで汚された思いがして、悔しくて情けなくって……
 家に帰ればほんの些細なことで、ママが罵倒してきて、叩かれはしないけれど、言葉攻めはもうすごいわ、理由? ホントに些細なことばかり、部屋が片付けられてないとか、食事の前には必ず勉強をとか、そんことの言いつけが守られないと、急にママは豹変してしまう。
「順ちゃん、どうして今ママが怒ってるかわかる?」
「ご、ごめんなさい、すぐ宿題取り掛かるから」
「違うわ、何で昨日のテスト、あんなに成績が悪かったの!」
 そのときの理科のテストで70点取ってきたものだ、ちなみにクラス平均は50点という難しいテストだった、だけどそんな理屈ママには通らない。
「お前は馬鹿か! こんな点数しか取れないのか! ママはもっといい点数取ってきなさいっていってるでしょ! ばーかばかばか、馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!!!、 何度いってもわからない屑め! チャンチャラおかしいわ! 二度とこんな点数取ってくるんじゃないわよ!」
 こんなことが10分以上続き、順子が泣き始めると、ようやくそれは止まり、
「順ちゃん、こっち来て」
 そういって順子を両手でハグしてくれるの、そのときのママはとっても良い匂いがして、優しくって、柔らかくって、安心できるはずなのに、
「順ちゃんが生まれたときねえ、パパもおじいちゃんもおばあちゃんも、みんな喜んでねえ、週末ごとにあんたに逢いに来てたんだよ、順子は愛されてるんだよ、もちろんママもそうよ、わかる順子ちゃん、ママは貴女の事を愛してるのよ」
「うん、わかったわママ」
 何か心のもやが晴れない気がするの、そんなはずはないって思いながらも、スキっきりしないその正体は順子にはわからなかった。



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