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よだかの星に微笑みを(第一部)
【SF 官能小説】

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デートとおしっこ-2

待ち合わせを三時にしたのは迂闊だった。五時からバイトなのである。闇雲に書いて送ったメールだから仕方がない。話すこともそんなに無いだろう。俺はだんだん緊張してきた。
着る服などに迷っていたら、三時を過ぎてしまった。結局、決めたのは普段着だった。
ポリアンナは既に立って待っていた。
「ごめん、遅れちゃった。」
「いえ、あたしも今来たところです。」
漫画で見るような決まり切った会話だった。俺同様、どこかで読んだに違いない。
怒っていない様子に少し安心した俺は
「どこに行く?」
喫茶店の前にいるのである。ところがポリアンナも緊張していて
「あ、ここ、どうですか。」
何のことはない。予定通り、目の前の喫茶店に入ることにした。
改めて実物を久しぶりに見た、と言ったら失礼だが、肉眼で見るポリアンナは本当に可愛らしかった。小さく整った顔を、恥ずかしそうにほとんど俯きがちにしている。
「あの、弘前さん、あたしが中二でもいいんですか。」
「君みたいにいい子はいないよ。」
歯の浮くようなセリフが自然に出てくる。
「弘前さんて、マリエとどんな関係なんですか。」
「関係はないよ。俺は普通の大学生だけど。うちも普通だし。あの子とは二回しか会ったことない。なんか誤解しているのかもしれない。」
「本当に? あれから、あの子達、あたしを避けるようになったから。マリエは学校の女番長なの。上級生も下に付いてるの。だから、弘前さん、どんな人なんだろうって。」
「期待しない方がいいよ。自信ない弱っちい奴だよ。」
「そういう人の方があたし安心できます。」
ポリアンナはにこりと微笑み、ジュースのストローに口を付けた。


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