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母子相姦のある風景
【母子相姦 官能小説】

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児童公園-3

「土筆、ここにはもう生えてこないのかな」
「ん〜、もう何年も取りに来てないから。でももう無いと思う」
「そっか…」
「何で?」
「昔取りに来たじゃない」
「でもあなた全然食べなかったでしょ。七草粥だって苦いって一口だけで」
「取るのが楽しかったんだよ。あれは」
「何よ、それ」

 言葉ほどに母の表情は硬くなかった。
むしろここ最近では一番柔らかい表情かもしれない。
母のこんな顔を見たのは随分久しぶりのような気がした。
あれはいつの事だっけ。
それこそいつか土筆を取りに来た時以来かもしれない。

「七草覚えてる?」
「えーと…最初は何だっけ?」
「セリ」
「あぁ、ナヅナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ」
「そう、良く出来ました」
 そりゃ覚えてる。
昔はここに連れてこられるたびに聞かれたんだから。
丸暗記じゃなくてこういう事を知っているのが教養だって言って。
それ以外にも急に百人一首の上の句を言われたら下の句を答えたりさせられた。
お陰で自分が中学で習った時も既に完璧だったから百人一首は強かった。
あれが今の何に役立つかは分からないけど、母に言わせれば教養とはそういう事じゃないんだろう。

 昔は母がそういう教育を俺にさせる事に父がちょっとでも口を挟むと、また喧嘩が始まった。
自分なりの教育にこだわる母はともかく、黙ってればいいのに余計な口を出す父がすごく嫌だった。
あの当時居酒屋を経営していた父は元来口数が多くて、俺も性格的にはどちらかといえば父に似てると思う。
けどその辺は立場的に母寄りで最後は俺も父親と仲が悪かった。
無学なくせにと内心どこかで軽視していたから、叩き上げで店を構えた父には面白くなかったんだろう。
結婚してた頃も既に店の経営が徐々に思わしくなくなってきてたらしい。
 その頃は母も少し自分の貯金を回していたらしいけど、それも仲が悪くなる要因だったんだろう。
両親が離婚してから数年後、父の居酒屋は上手くいかなくなって倒産した。
そしてその内に父からの養育費が滞納するようになると余計に疎遠になった。
公正証書を盾に養育費を取ろうにも財産が霧散して中古車くらいしか残ってなければさほど意味が無いんだろう。
店があった場所は更地になって今はアパートが建っている。
父とはもう何年も会ってない。
思えばその時から母と俺は昨夜結ばれるまでの道のりを歩み始めたんだろう。

 ちょっと迷った後、腰を沈めてブランコに腰かけたままの母の額にキスをした。
ハッとしたようにすぐに押し離して母は周囲を見回すが、早朝の小さな児童公園の周囲に人影はない。
少し離れた道路に犬を連れた老人がいたが、こちらには気づいてないみたいだった。
見られてない事に少しほっとしたのか、見上げる母はさっきみたいに小さく唇を噛んで拗ねたような目で見てくる。

「馬鹿な事しないで。人に見られたらどうするのよ」
「仲の良い親子だなって思われるよ」
ぷっと小さく母が吹き出す。
軽い冗談のつもりだったけど、存外ツボに入ったらしく肩を震わせて笑ってる。
「全くあなたは本当に…」
そこまで言って、次の言葉が出てこない。
その内に怒る気も失せたみたいだ。
良くも悪くもあんまり俺は母と似てない。
だからなるべく冗談ばかり言う様にしてる。
俺は笑って欲しいんだ、母に。

 午前7時近くなってきて、スーツ姿の通行人がちらほら通るようになっていた。
「そろそろ帰ろうか」
いつの間にか明るい表情になっていた母がそう言う。
ブランコの鎖を手すり代わりにすっと立ち上がり尻を軽く払う。
「もっと中身のある話をするつもりだったのに」
ジャブのような軽い嫌味。
「またにしようよ」
「はいはい。バイトは何時終わり?」
「今日は19時までかな」
「分かった」

 公園を出て、家までの短い家路につく。
「あ〜あ……」
「……何?」
「もうデート終わりかって」
「はぁ?!」
不意に投げた俺の言葉にギョッとしたようにすれ違う人の顔色を窺う。
駅まで足早に向かう通勤サラリーマン達にすれ違った相手の会話なんて気に留める余裕はない。
「どうせ誰も聞いてないって」
「………」
呆れたように俺を見てくる。
もっともさっき家を出た時と違って、随分元気そうだ。
今度の日曜が来たらまた行こうと思う。





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