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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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クリスマスの決意-4

「…鈴木さんからだ」

その日の夜8時ごろ、娘の恋人からLINEが来ていた。
娘がこちらに帰ると決心したという報告だった。
今すぐではなく、年が明けてから帰るらしい。
カーペットに転がりゲームをする息子の葵に目をやる。
視線に気づいた息子が何?と首を傾げた。

「…百合香が、年が明けたらこっちに帰ってくるって」

「…そう…百合香が…」

不安そうな顔だった。それはそうだろう。兄妹とはいえ、お互いに幼い頃しか知らない。彼にとってはほとんど他人だ。

「…不安?」

「…百合香にとって僕は…良い兄の印象は無いと思う。母に対する怒りを…あの子にぶつけて酷いことをしたこと、ちゃんと覚えてる。…謝れないまま、別れたから…後悔してるんだ。だから…会ってちゃんと謝りたい」

「…そっか」

「"あの人"とはもう二度と会いたく無いけど…百合香とは…仲良くしたいんだ」

あれから妻は、精神科のある病院に送られた。少しだけ、様子を見に行ったが、とても話ができる状態ではなかった。いつか和解できることを願っていたが、やはり無理なのかもしれない。時間が解決してくれるとは、今の俺には思えない。

「…父さん、携帯鳴ってる」

「ああ…ボーっとしてた…」

鈴木さんからのLINE。"1日のお昼頃にそちらに向かう予定です。当日は私も付いていきます"とのこと。
そういえば、葵には彼女のことは話していない。一応、鈴木さんに話してもいいか許可を取る。構いませんよと即答された。

「あのさ、父さん。気になったんだけど…今LINEしてるのって、百合香じゃないよね」

俺が言い出すより早く、葵が聞く。

「ああ…今話そうと思ってた。百合香の恋人だよ」

「…恋人?彼氏ってこと?父さん、百合香の彼氏とLINEしてるの?」

「ああ、いや…彼氏…じゃなくて…その…女の子なんだ」

「…えっと…百合香は女の子と付き合ってるってこと?」

戸惑うような声と表情で、聞き返す。

「俺も最初驚いたけど、そうらしい」

「そう…なんだ…父さんは…反対しなかったの?」

「百合香が、他の誰でもない自分の意思で選んだ子なんだ。反対する理由なんてないよ。それに…凄く素敵な子だったし」

「…そっか…百合香が自分で…。あの人の意思なら同性って選択肢はまずないもんね…」

「…うん。あの子はちゃんと自分の意思で動いてる。恋人が支えてくれたからだってあの子は言ってた」

「…会ってみたいな。百合香の恋人」

「年明けに百合香と一緒に来るみたいだから、その日に会えるよ」


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