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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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クリスマスの決意-1

百合香が家に居候し始めて数ヶ月が経った。気づけばクリスマス。
一緒にイルミネーションを見たいと、百合香から誘われた。
その日は雪が降っていた。

「…ホワイトクリスマスだね」

「えぇ…そうね」

彼女が私の手を握る。ごく自然に、当たり前のように、指を絡めてきた。

「まだ時間あるし、何処か行きたいところある?」

「…そうね…とりあえずお腹空いた。何か食べたい」

「何食べたい?」

「えっと…あ、そこの喫茶店入りましょう。私、ここのサンドイッチ好きなの。パンが美味しいのよ。この間小春と来た時に食べたのだけど…」

出会ったときに比べると、彼女は変わった。それは決して悪い意味ではなく、良い意味で。自分と向き合えたからだろうか。今何がしたいか、何を食べたいか、何が好きか…そういったことをちゃんと主張するようになった気がする。魔女の言い成りになるお人形だった彼女は、もういない。

「…聞いてる?」

「…ちゃんと聞いてるよ。喫茶店のパンが美味しいって話でしょ?」

「…ならいいのだけど」

「…あ、ちょっとごめんね」

携帯のバイブ音が鳴る。見ると、百合香の父親から連絡が来ていた。

『もしかして今、駅の近くの喫茶店の前にいる?』

まさかと思い、あたりを見回す。彼女の父親らしき人物を発見した。
目が合う。慌てた様子で、しーと人差し指を立てた。

「…?知り合いでも居た?」

「んー、人違いだったみたい。さ、入ろ入ろ」

私と同じ方向を見ようとする百合香を反転させ、少し強引に喫茶店に押し込んだ。


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