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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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それぞれの想い-4

「俺ねー、ここの豚骨ラーメン好きなんだよー。星くん何ラーメンが好き?」

「塩かな…あー…単品でいいよ。俺そんなに食欲ないから…」

「んじゃ、いつものと、塩ラーメン一つ」

慣れた感じで注文をする。"いつもの"で通じるということは、常連なのだろう。店員ともなんだか親しげだった。

「…常連なのか?」

「親父の知り合いの店なんだよ。だから小さい頃からよく連れて来られた」

「…へぇ、なるほど。だからその癒し体型なんだな」

「え、それは…褒められてるのか…?」

苦笑いする福ちゃん。釣られて苦笑いする。
乾いた笑いと共に、涙が溢れ出てきた。
会話が止まる。
彼は真剣な顔になり、大丈夫?と首を傾げた。

「…ちょっと前に、一回告白して振られててさ…好きな子がいるって言われて」

「うん」

「その時は…大丈夫だったんだけど…その好きな子と付き合い始めたことを今朝知ってさ…」

「あぁー…」

「応援するって決めたんだけど…何で俺じゃダメなんだ…何であの子なんだっていう気持ちもあって…なんか…自分が嫌いになりそう…」

「…そうかぁ…」

彼は相槌を打ちながら、真剣に俺の話を聞く。感情と、言葉が溢れて止まらなくなる。

「…星くんの好きな子って、朝一緒に登校してる子?あの王子様みたいな背の高い…」

中学の頃から、彼女は有名人だった。高校でもすぐに有名になっていた。背の高い王子様みたいな女の子と言えば大抵の人に通じるほど。

「…そうだよ」

「そっかぁ、あの子かぁ…えっと…鈴木さんだっけ?意外だなぁ…ああいう子がタイプなんだ?」

「…タイプ…というか…人柄に…惹かれたんだ。真っ直ぐで…優しくて…他人を尊重しつつも自分の意思をちゃんと持ってるところとか…カッコいいと思う。憧れも…あるのかな…とにかく…好きなんだよ…どうしようもないくらい」

「…とりあえず、食べよう。辛い時は美味しいもの食べて忘れるのが一番だよ」

彼がそう言い切ったところで、タイミングを見計らったように、注文したラーメンが来た。彼が頂きますと手を合わせてから、スープを一口飲み、勢いよく麺をすする。
彼に見習い、スープを飲み、ラーメンをすする。あっさりしたスープが身にしみる。疲れた心を、癒していく。
無かったはずの食欲が、戻ってくる。

「…これ食べたら、追加注文していい?」

「お、食欲戻った?いいよいいよ。好きなだけ食べな。俺の奢りだから気にせんでいいよ」

その代わり次は奢ってね。と彼は笑った。
その日はとにかく、食べられるだけ食べた。
忘れることなんて出来なかったが、胸の靄は少しだけ晴れた気がする。


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