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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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昨夜とは違う夜-1

彼女のベッドに横になる。昨夜はここで彼女と…。
どうしても、思い出してしまう。あの時の彼女の表情が、体温が、声が、匂いが、まるで、さっきのことのように鮮明に脳裏に映像が浮かぶ。
今日も、するのだろうか。

「…って、何期待してるのよ私…」

あんなに恥ずかしかったはずなのに、怖かったはずなのに、また触れて欲しいと思ってしまう。
無意識に、自分の手が昨夜彼女が触れた場所に、順番に触れていく。記憶を、なぞるように。
誰かが階段を上る、足音がした。
その音で正気に戻る。私は、何をしているんだ。
恥ずかしくなり、咄嗟に、布団に潜り込む。
部屋の扉が開いた。

「…百合香?」

布団を突かれる。何してるの?と苦笑いするような声が聞こえた。

「…べ、別に…」

「…ふぅん?」

彼女が布団をめくろうとする。全力で抵抗した。
今は、彼女の顔を見たくない。

「…んもぅ…どうしたの?一体」

「…何でもないってば…」

「…ああそう?」

彼女がベッドに座る。ギシッ…とベッドが軋む音がした。
心臓の鼓動が、早まる。

「…ね、ねぇ、海菜」

「ん?なぁに?」

「今日も…するの?」

返事は無い。
恐る恐る、布団から顔を出す。
亀みたい。と彼女が噴き出した。

「…で、何だっけ?」

「き、聞こえてたくせに…」

「ごめんごめん。…君はどうしたい?」

「…聞いてるのはこっちよ」

「…私はしたいよ。君がいいならいつでも君に触れたいくらい」

彼女の手が、布団から少し出ていた私の手に重なる。真剣な眼差しに、吸い込まれそうになる。思わず、目を逸らし布団に引っ込む。

「…とりあえず出てきてくれないかなぁ…」

「い、嫌よ…い、今貴女に見つめられたら…ドキドキしすぎておかしくなりそう…」

「…そんな可愛いこと言われちゃうと私も気が狂いそうなんだけど」

はぁ…という深いため息とともに、布団から引きずり出される。
彼女の腕の中に閉じ込められた。
彼女の心臓の音が、うるさいくらい大きく聞こえる。

「…いい?百合香」

「や、やだ…」

「…んー…じゃあ、キスだけ」

「い、嫌よ…キスだけじゃ済まないでしょ貴女…」

そうかもねと笑いつつ、私の首にキスを落とす。くすぐったさに身をよじらせた。

「…だ、だから!もう…っ…」

「…大丈夫…今日は…優しくする」

「そ、そういう問題じゃなっ…ん…」

流れるように、唇を奪われる。昨日よりも優しいキスだった。
重なった手を握り締める。指が絡み合った。
もう一度、唇が重なる。そのまま、ゆっくりと2人でベッドに倒れこむ。倒れる瞬間、私が頭を打たないよう、さっと彼女が私の頭の下に枕を敷いた。視線が絡み合う。ふふと彼女が優しく笑った。
ずるい。
そんな顔をされたら、どんなことでも許してしまいそうになる。
ため息とともに、好きという言葉が漏れた。
私もと彼女が笑う。

「…今日は…優しく…して…くれるのよね」

「…うん。大丈夫だよ。だから、安心して私に身を委ねて…」

身体の力を抜く。昨日のような、余裕のない雰囲気の海菜は居ない。
昨日の彼女は、本当に別人だったのではないだろうか。
そう思うほどに優しく抱かれた。


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