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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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今はまだ-2

「…少し…充電させて」

そういいながら、百合香は私に抱きつく。父親の前にもかかわらず。
彼女を抱きしめ返す。
彼女の父は苦笑いしながらも、お疲れ様と彼女に優しく声をかけた。

「…お父さん」

「うん?」

「…昨日は、酷いことを言ってごめんなさい」

父親と顔を合わせないまま、彼女は呟くように言う。
彼女の父と目が合う。どこか寂しそうに笑った。

「…責められたって仕方ないことをしたって、わかってる。謝るのは…俺の方だよ」

ごめんね。と彼女の父も謝る。ぎゅうっと私にしがみつく彼女の腕に力がこもるのを感じた。父の方を見ないまま、彼女は続ける。

「…私ね…お父さんのことは好きだった。けど…まだ、許せないの。今はまだ…貴方と向き合える気がしない。それに…兄に会うのも…怖い。だから…まだ…貴方の家には帰りたくない。わがままだって…わかってるけど…ごめんなさい…」

「…うん。大丈夫。待ってるから。帰ってくるのを」

「…えぇ」

「…ごめんね、鈴木さん」

「いえ、うちは大丈夫です。両親もわかってくれてますし…しばらく百合香のことお預かりします」

「…娘をよろしくお願いします。…って、まるで結婚前の挨拶みたいだね」

彼女の父が冗談っぽく言う。
何故か私が百合香に小突かれる。
馬鹿。と小さな呟きが聞こえた。

「…百合香」

「…何よ」

「鈴木さんにも言ったけど…俺は二人を応援する。反対も否定もしないから」

「…そう」

ありがとうお父さん。と、腕の中で彼女は、小さく呟いた。
多分、彼女の父には聴こえていない。

「…ありがとう。だそうです」

私が代わりに、彼女の父に伝える。彼はどういたしましてと、少し嬉しそうに笑った。
彼女は恥ずかしそうに俯き、再び私を小突いた。


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