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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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私に出来ること-5

「ごめん、望。待った?」

放課後。校門前で待つこと数十分。王子がごめんねと言いながら駆け寄ってきた。随分と待たされた。

「…遅い」

「ごめんね。ちょっと百合香と話してた」

今朝は仲悪そうに見えたが。
仲直りしたのかと問うと、彼女は首を横に振る。

「…私が喧嘩したのは、彼女のお母さん。喧嘩…というか、一方的に嫌われちゃってね。多分彼女は"あの子とは仲良くしちゃダメよ"とかなんとか言われたんじゃないかな」

溜息をつく。寂しそうな、辛そうな顔だった。

「…それに大人しく従ってたってわけか?」

「うん。ちょっと…複雑みたい」

「…なあ、なんでそこまでするわけ?他人の親子事情なんて本人達の問題だろう?」

深いため息をつき、彼女は躊躇うように、言葉を発する。

「…好きなんだ。彼女が」

「…それは…勘違いじゃないのか?」

彼女は直様「違うよ」と答える。

「"可哀想な彼女"に優しくする自分に酔ってるんじゃないのか?」

嫉妬からか、キツイ言い方をしてしまった。ごめんと謝ると、いいよと苦笑いし、一目惚れしたんだ。と続ける。言葉を失う。

「…おかしいと思う?同性に一目惚れなんて」

傷付いたような顔。そんな顔、させたいわけじゃない。

「違う…そうじゃない…悪い…」

「私もごめんね。急にこんなこと言って。…理解してもらわなくていいよ。自分と違う人を認めるって、難しいことだと思うから」

そう言える彼女は優しい。例え自分と正反対違う意見を持つ人間だろうが、否定しない。自分の意思を持ちつつも、他人の意見を尊重することが出来る。俺は彼女のそんなところが、好きになったんだ。

「…違うよ海菜…そうじゃないんだ…。好きだから力になりたいって気持ちは…痛いほどわかる。俺も…好きな子いるから…」

「…そっか。どんな子?」

「…王子様みたいな女の子。自分と違う他人の意見を尊重することが出来て…思いやりのある…すごく…優しい子だよ」

苦しい。こんな形で、言うことになるなんて思わなかった。
まるで私だね。と彼女は冗談っぽく笑った。冗談じゃない。本気で好きなんだ。お前のことが。

「お前みたいな子じゃない。…お前が…好きなんだ。海菜…」

動じる事は無かった。
そっか。と申し訳なさそうな顔をする。

「…男は…ダメなのか?」

俺の言葉に対し、躊躇うように彼女は頷いた。

「…多分。…でもありがとう、望。私を好きだって言ってくれて」

「…ごめん。こんな形で伝えるつもりじゃなかったんだけど…」

「うん…私もごめんね。"君の気持ちに気付かないで"こんな相談…」

「…いいんだ。…なぁ、海菜。さっきはあんなこと言ったけど…俺に何が出来ることがあるなら、何でもするから」

「…うん。ありがとう。じゃあ、一つだけお願い。…もしも、彼女が私に酷い言葉をかけたり、私を無視することがあったとしても、彼女を責めないでほしい」

「…わかった」

ありがとう。と彼女は悲しげに笑う。俺なら、お前にそんな顔をさせたりしないのに。どうして彼女なのか。出かけた言葉を飲み込む。

「…これからも、友達のままでいてくれるか?」

「うん。もちろん。これからもよろしくね、望」

「…ああ」


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