投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

呪いを解いての最初へ 呪いを解いて 16 呪いを解いて 18 呪いを解いての最後へ

私に出来ること-4

保健室のベッドのカーテンを開ける。

「海菜…!」

ベッドに座り込んでいた彼女は、私を見つけると飛び込んできた。
よろけながらも、抱きとめる。感動の再会みたいだなと苦笑する。

「海菜…っ…」

「んー。大丈夫。大丈夫」

小さい子をあやすように、背中を叩き、頭を撫でる。

「なんで…なんで貴女は…そんなに…」

私に優しくしないでよ…。と彼女は苦しそうに言う。

「貴女といると変になる…母の望まない私が…今まで内側に閉じこもっていた私が…隠せなくなるっ…だから…だから…私は貴女の側にいてはいけないのに…っ」

貴女と友達になんて、なるんじゃなかった。そう言ってから彼女は、ハッとしたように私の肩に埋めていた顔を上げ、私を突き放した。

「…違う…違うの…こんなことが、言いたかったわけじゃ…」

わかっている。
震える彼女の手を握る。彼女はビクッと身体を震わせた。

「…大丈夫。私は君に何を言われようと離れないから。…心配なら、逃げないように捕まえておいて」

「…これじゃ私が捕まえられてる方じゃない…」

「確かに」

百合香の言う通りだ。しかし、かく言う私も、彼女を逃す気は無い。彼女が本心から、私を突き放さない限り。

「…ごめんなさい。海菜」

「うん?」

「…今朝、無視したりして」

「ああ、良いよ。大丈夫。…明日は一緒にご飯食べよう」

「…でも…」

「"魔女"が怖い?」

こくりと、彼女は頷く。

「…私が守るよ。と、言いたいところだけど…ごめんね。四六時中側に居ることはできないから。けど、学校にいる間は大丈夫。魔女の目は、ここまで届かない」

だから百合香、学校にいる間は我慢しなくていいんだよ。出掛けた言葉を遮る様に、授業の始まりのチャイムが鳴る。彼女は躊躇うように、ゆっくりと手を離した。

「…また来るね」

何にも邪魔されず、彼女の側に居られたらいいのに。
自分の力の無さが歯痒かった。
私の言葉が、少しでも彼女の心に響いているならいいのだが…。


呪いを解いての最初へ 呪いを解いて 16 呪いを解いて 18 呪いを解いての最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前