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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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私に出来ること-2

「ゆーりかっ、ご飯食べよう?」

昼休み。お弁当を持って、席に座る百合香の正面に回り込む。

「…私は…1人で食べるから…」

目を逸らし、彼女は言った。やはり、ダメか。

「わかった。じゃあ、望と食べてくるね」

明日も誘うから。と言い残し、教室を去ろうとする。
制服を引っ張られ、止められた。振り返る。何かを言いたそうに、口をパクパクとさせる。けれど、その小さな口から紡がれるのは、言葉ではなく、ひゅうっという苦しげな呼吸音だった。徐々に、呼吸が早くなる。胸を押さえ、机に突っ伏した。

「…百合香、保健室行こう」

荒い呼吸をしながら、彼女は首を横に振る。ひゅうっ、ひゅうっと教室に響く彼女の異常な呼吸音。だんだんと、教室の話し声が消えていく。ざわざわと、し始めたかと思うと、クラスメイトの視線がこちらに集中する。不味い。

「百合香、百合香。私の声、聞こえる?」

やめて。やめて。と目に見えない何かに怯えるように、彼女は耳を塞ぎ呟く。私の声は多分、届いていない。

「え、小桜さんどうしたの?やばいくね?」

「おい、誰か先生呼んで来いよ」

ざわざわと、声だけで、誰も動き出そうとはしない。
彼女も、とても歩ける状態では無さそうだ。仕方ない。
椅子に座る彼女の膝と尻の下から手を入れ、持ち上げる。

「っ…!?う、うみ…なっ…」

しまった。余計混乱させてしまうだろうか。

「うわ、軽っ。百合香、ちゃんと食べてる?」

こういう時は、周りが慌ててはいけない。大丈夫だと、安心させるために冗談を言う。にしても、小柄だとは思っていたが。それとも、私の力があるのか。

「食べ…てる…わよ…」

ひゅうっひゅうっという呼吸音混じりではあったが、返事が来たことに、ホッとする。振り返ると、人の波が左右に分かれ、道ができていた。お礼を言い、彼女を抱えて道を通る。祝福されているわけではないが、結婚式みたいだと思ってしまう。これは、言わない方が良いかもしれない。

「うみ…な、私…」

「…話は落ち着いてから。今は私の声聞いて。息止めれる?なるべく長く。ギリギリまで吸っちゃダメ。それを繰り返して」

指示通りに、彼女は息を止め、吸うを繰り返す。この様子なら、保健室に着く頃にはおそらく落ち着いているだろう。


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