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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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私に出来ること-1

「百合香、おはよう」

電車に乗り込んで来た彼女に声を掛ける。彼女と目が合った。口を開くが、挨拶の言葉は出なかった。

「…何あれ、感じ悪くね?…喧嘩してんの?」

「喧嘩はしてないよ」

やっぱり"呪(まじな)い"は効かなかったようだ。事情を知らない望は、私の代わりに文句を言おうと、私の方を見ようともしない彼女の方に歩いて行こうとする。

「んだよ、明らかに無視されてんのにムカつかねぇの?」

「…大丈夫だから。怒らないであげて」

「けど…」

「…大丈夫。ありがとね。私の代わりに怒ろうとしてくれて」

「なんだよそれ」

不満そうな顔だった。望にも話しておいた方が良いかも知れない。彼女のことを。私のやろうとしていることを。

「…ねぇ、望、後でちょっと話があるんだけど」

「…あの子のことか?」

ちらっと彼は、彼女の方に視線を送った。そう。と私は頷く。
はぁ…と彼はため息をついた。

「百合香のこと、嫌いかな」

「…いや。嫌いになる程、彼女のこと知らないし」

「ふふ、大丈夫だよ。彼女は良い子だよ。今日はちょっと…色々あって話せないだけ」

「…よくわかんないけど…お前がそう言うなら」

再びため息をつく。優しいため息だった。


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