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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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百合香の心-1

「じゃあ、また明日」

「ん、また明日」

「またな、小桜さん」

電車を降りていく星野君と海菜に手を振る。2人が見えなくなったところで、ため息が漏れた。
海菜と出会ってから、私の中に少しずつ変化が起きている。
"可愛い"なんて言われて嬉しかったことなんて無いのに、彼女の優しい声で、表情で言われると、凄く嬉しい。それと同時に、恥ずかしさと胸苦しさが襲う。同じ言葉なのに、どうしてだろう。
もっと、いや、ずっと彼女の側にいたいという妙な感情と同時に、それ以上の恐怖もあった。彼女の近くにいたら、私が私じゃなくなる気がした。
彼女の優しい声が、表情が、視線が、私の胸を締め付ける。
まるで、恋だ。
恋?何を言っている?相手は女の子だ。有り得ない。"普通の女の子"は女の子に恋なんてしたりしない。勘違いに決まっている。
何よりそんなの"母が許すわけない"
私は"母のお眼鏡にかなった男の人"としか結ばれてはいけない。
母の選んだ人しか、好きになってはいけない。
女の子なんて論外だろう?母の望まない私に、言い聞かせる。
でも…と"彼女"は続ける。

『自分に嘘つくのは苦しいよ』

このままじゃ、いずれ壊れちゃうよ。と彼女は続ける。
だったら"魔女"の前で自分を主張してみせろ。と、強い口調で言い返す。"彼女"は俯き黙り込んだ。
その瞬間、急に酸素が薄くなったような、息苦しさを感じた。

「お嬢さん!大丈夫!?」

知らない人の心配するような声。何が起きてるか分からなかった。
息が出来ない。まるで水中にいるようだった。
どんどん人が集まってくる。そこに海菜の姿は無かった。
彼女への想いが溢れる。貴女に会いたい。助けて欲しい。側にいて欲しい。怖い。怖い。
貴女といることで、母の望む理想の私から外れていくのが。
怖くて、仕方ない。


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