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呪いを解いて
【ガールズ 恋愛小説】

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騎士と王子-2

「…小桜さん、ねぇ…」

新入生代表として選ばれていた女の子。綺麗だとか、可愛いとか、そんな声がよく聞こえてきたけど、俺は別にそうは思わない。興味がない。
今興味がある女の子は、1人だけ。皆から"王子様"と呼ばれるあの子。
だけど、俺の好きな"王子様"は多分、あの"お姫様"に惚れている。

『私、男の人にときめいたこと無いんだよねぇ』

過去に彼女が言った言葉が脳内で反響する。男を好きになれないと言われたわけでは無い。けれど、その言葉のせいで俺は、彼女に想いを伝えることが出来ないでいた。"やっぱり私は女の子しか好きになれない"そう言われてしまうのが怖くて。
今朝見た彼女の顔を思い出す。彼女を見つけた瞬間の顔。あんな嬉しそうな顔、初めて見た。

「はー…」

机に突っ伏し、深いため息をつく。
別に、同性を好きになることが間違いだとは思わない。けれど…。
やっぱり、彼女は男を好きになれないのだろうか。
俺の想いは、一生彼女には届かないのだろうか。

「どうした星野、でかいため息ついて」

先生の話がそんなにつまらないかという、担任の少しイラついた声で現実に戻る。ホームルーム中だったのを思い出す。

「す、すみません…」

「ったく…しっかりしろよ」

「はい」

「…罰として、最初の日直はお前な。出席番号順で1番からにするつもりだったが…丁度お前が最後だし、後ろから遡って進んでくことにしよう」

前の席に座っていたぽっちゃり体型の男子生徒が、うげぇ…と嫌そうな声を出した。
この様子だと、クラスの半分くらいから恨まれそうだ。入学したばかりなのにやってしまったなぁと再び、今度は心の中でため息をついた。

「…すまない。福田君」

「いやいや、こっちこそごめんなぁ、嫌そうな声出して」

振り返り、小声で彼は申し訳なさそう言う。俺のことは一切責めなかった。良かった。良い人そうだ。

「…被害妄想、激しそうだよなぁ。担任の藤沢先生。今のため息、別に先生の話が長かったからじゃないだろ?」

「…ああ。というか、先生の話は全く聞いてなかった」

だと思ったよ。と彼は苦笑いする。私語は慎めという藤沢先生の声が教室に響いた。


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